セキュリティ企業のコントロール・オルト・インテル(Ctrl-Alt-Intel)は8日、北朝鮮関連と疑われるハッカー集団が暗号資産(仮想通貨)関連企業を標的にしたサイバー攻撃を確認したと発表した。

クラウド環境を狙う高度なサイバー攻撃の手口

ハッカー集団は、ステーキングプラットフォームや取引所ソフトウェアの提供企業、仮想通貨取引所を標的にした。

攻撃には「React2Shell」と呼ばれるシステムの脆弱性が悪用されている。侵害されたアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の認証情報が使われ、クラウド環境への不正アクセスを許す結果となった。

未修正の欠陥が放置されていたことが、初期の侵入を容易にしたとみられる。

攻撃者はクラウド内のさまざまなリソースを詳細に調べ上げ、重要なキーや認証情報を次々と抜き取った。

具体的には、データベースやコンテナ管理システムなどから機密情報を抽出している。さらに、複数のシステムイメージをダウンロードし、機密性の高いソースコードを盗み出した。

盗まれたデータの中には、取引所向けシステムを提供するチェーンアップ(ChainUp)の関連コンポーネントも含まれていた。

仮想通貨業界はクラウドインフラへの依存度が高く、貴重なデジタル資産を扱うため、国家の支援を受けるハッカー集団の標的になりやすい。

北朝鮮の手口との類似点と業界に求められる対策

今回の攻撃は、韓国のサーバーや特定のドメインを経由して巧妙に行われた。仮想通貨のサプライチェーンを狙う点や、組織的に情報を収集する手口は、北朝鮮のハッカー集団の過去の行動と一致する。

ただし、AWSの認証情報がどこから流出したかが不明なため、攻撃者の特定は中程度の確度にとどまっている。それでも、過去の仮想通貨窃取事件と似たパターンを描いていることは間違いない。

コントロール・オルト・インテルは影響を受けた企業に速やかに通知を行い、システムの修正や認証情報の保護を呼びかけた。現時点で大規模な金銭的被害は確認されていない。

しかし、盗まれたウォレットのキーを使って、あるプラットフォームから少額の仮想通貨が送金されたことが分かっている。

被害の拡大を防ぐための迅速な対応が不可欠だ。ユーザー自身も資産を守るために、ハードウェアウォレットの導入を検討すべきである。

業界全体でクラウド環境の監視を強化し、サードパーティのサービスを利用する際のリスク管理を徹底することが求められる。

特に外部プロバイダーを経由した攻撃のリスクが浮き彫りになっており、各企業はセキュリティ対策の再評価を迫られている。

ポイント

  • 北朝鮮関連と疑われるハッカー集団が、仮想通貨関連企業を標的にサイバー攻撃を行った。
  • 攻撃者はシステムの脆弱性を悪用し、クラウド環境から重要なキーやソースコードを盗み出した。
  • 大規模な被害は未確認だが、業界全体でクラウド監視とリスク管理の徹底が求められている。

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桜庭 香純
桜庭 香純
仮想通貨ライター

2020年から暗号資産(仮想通貨)投資を開始し、BTCやNFT、メタバースへの興... 続きを読む

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