近年アメリカのトランプ政権に代表されるような、暗号資産(仮想通貨)を戦略備蓄に検討し始める国家が現れ始めています。それに伴って個人投資家の中でも、従来の株式資産にプラスでビットコインを持つ人が増えてきていますが、ビットコインなど仮想通貨の税率の高さは、依然として投資へのハードルになっています。
そこで本記事では、ビットコインなどの仮想通貨の税率一覧や税金制度の改正に関する最新情報、具体的な計算方法や計算に役立つツールを紹介していきます。
「仮想通貨の税金が変わるって本当?」「ビットコインの税金の計算方法は?」といった悩みを持つ方は、最新情報を盛り込んでいるため、ぜひ最後までご覧ください。
ビットコインの税率の重要ポイント
- ビットコイン利益は雑所得扱い、最大税率55%
- 利益20万円超で確定申告が必要で、他の所得と合算し累進課税される
- 自民党は分離課税20%への税制見直しを提言中
ビットコイン(仮想通貨)の税率を巡る最新の動き
まずはビットコインなど仮想通貨の税率を巡る最新の動きを見ていきます。
2025年6月末までに仮想通貨税制の検証実施へ
加藤勝信財務大臣は衆議院予算委員会において、金融庁が2025年6月末を目処に仮想通貨税制の検証を実施する方針を発表しました。この検証は、与党の税制大綱に基づき、必要な法整備と税務当局への報告義務の整備を前提として進められます。
現在、仮想通貨取引による利益は「雑所得」として扱われ、最高55%(住民税含む)という高税率が適用されていますが、これが株式等と同様の申告分離課税(20.315%)へ移行する可能性が高まっています。
この動きの背景には以下の要因があります。
- 2024年12月に決定された「令和7年度与党税制改正大綱」で、仮想通貨を「国民の資産形成に資する金融商品」として位置づけ直す方針が明記された
- 業界団体からの要望が相次ぎ、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が共同で20%の申告分離課税と損失繰越控除(3年間)を求める税制改正要望書を提出
金融庁は、仮想通貨が決済手段として定義されながらも実際には投資目的での取引が主流となっている現状を踏まえ、制度と実態の乖離を是正するための検証を行います。この改正が実現すれば、日本の仮想通貨市場や国産プレセール仮想通貨の国際競争力強化につながると期待されています。
業界団体が分離課税への変更を要望
日本の仮想通貨業界団体は、現在の最大55%(所得税45%+住民税10%)という高税率の総合課税から、株式などと同様の20.315%の申告分離課税への変更を強く要望しています。2024年7月には日本暗号資産取引業協会(JVCEA)と日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が共同で2025年度税制改正要望書を政府に提出し、この動きが加速しています。
この要望の背景には以下の重要な課題があります。
- 現行制度ではミームコインなど仮想通貨取引の利益が「雑所得」として総合課税され、国際的に見ても極めて高い税率が適用されている
- 高税率により人材や投資家の国外流出、Web3領域における国際競争力の低下が懸念されている
2025年1月からの通常国会では税制関連法案と資金決済法改正案が審議されています。
現状のビットコイン(仮想通貨)の税率と課題
ここでは現状のビットコインにかかる税率と課題を見ていきます。
総合課税で最大55%
現在、日本におけるビットコインや草コインなどの仮想通貨の税制は「総合課税」方式が採用されており、取引で得た利益は「雑所得」として扱われています。この制度では、給与所得など他の所得と合算して課税されるため、所得が増えるほど税率が上昇する累進課税となっています。
具体的には、所得税(国税)が最大45%、住民税(地方税)が10%かかるため、合計で最大55%もの高税率が適用される可能性があります。これは株式やFXなどが一律20.315%の「申告分離課税」であることと比較すると、極めて高い水準といえます。
以下はビットコイン(仮想通貨)利益にかかる税率一覧になります。
課税所得 | 所得税率 | 住民税 | 合計 |
195万円以下 | 5% | 10% | 15% |
195〜330万円未満 | 10% | 10% | 20% |
330~695万円未満 | 20% | 10% | 30% |
695~900万円未満 | 23% | 10% | 33% |
900〜1800万円未満 | 33% | 10% | 43% |
1800~4000万円未満 | 40% | 10% | 50% |
4,000万円超 | 45% | 10% | 55% |
この高税率は、日本の仮想通貨市場や新しい仮想通貨への参入における最大の課題となっています。仮想通貨への投資意欲の減退や人材・資本の海外流出を招いているとの指摘もあります。そのため、業界団体からは2025年に向けて株式と同様の申告分離課税(一律20%)への移行や損失繰越控除の導入を求める要望が出されています。
政府も2025年6月末までに制度検証を実施する方針を示しており、税制改正への期待が高まっています。
相続で莫大な税金がかかるケースが
現在の日本では、ビットコインやアルトコインを相続すると、最大で110%もの税金が課される「二重課税問題」が深刻な課題となっています。これは相続時に最大55%の相続税がかかり、その後売却時に最大55%の所得税・住民税が課税されるためです。
特にICO仮想通貨など、価格が大幅に上昇した銘柄では、相続資産価値を超える税負担が生じる可能性があります。
相続資産価値を超える税負担の具体例
- 1,000万ビットコインを0.2円で購入し、相続時に240円になった場合、24億円の価値に対し相続税約12.5億円と売却時の所得税・住民税約13.2億円で、合計約25.6億円の税金が発生
- 100BTCを460万円で購入し、相続時に約14.4億円になった場合、相続税約7.9億円と売却時の所得税約7.9億円で、合計約14.8億円の税負担となり、資産価値を超過
- 100万円分のビットコインが相続時に100億円相当になった場合、相続税約54.2億円と所得税・住民税約52.2億円で、合計約106.4億円の税金が発生
2024年に話題となった事例では、被相続人の死亡時点でビットコインが高騰していたため、相続人が資産を実際に受け取る前に価格が大幅に下落。しかし仮想通貨の税金は死亡時の高値で計算され、結果的に受け取った資産価値を上回る税金を支払うことになりました。
こういった問題に対応するため、2025年に日本政府は仮想通貨税制の見直しを検討しており、自民党の税制改革案に仮想通貨の税制が正式に含まれました。
申告分離課税になるとどう変わる?
2025年現在、申告分離課税への移行が検討されていますが、実現すれば株式投資やFX取引と同様に一律20.315%の税率が適用されることになります。これは所得税および復興特別所得税15.315%と地方税5%を含んだ税率です。
申告分離課税になると得られるメリットをまとめると、以下の通り。
- 税率の固定化:所得がどれだけ増えても税率は20.315%で固定され、現行の最大55%と比較して大幅な負担軽減になる
- 損益通算の可能性:株式やFXなど他の金融商品との損益通算が可能になり、リスク管理がしやすくなる
- 繰越控除の導入:損失を最大3年間繰り越して将来の利益と相殺できる可能性がある
より理解を深めるために、具体例として年収600万円の方が仮想通貨で100万円の利益を得た場合を見てみましょう。
項目 | 雑所得 | 分離課税 |
税率 | 所得税:5〜45%
住民税:10% |
一律20% |
課税 | 給与所得と合算 | 他の所得と分離して一定税率 |
税金額 | 約30万円 | 約20万円 |
税率 | 約30% | 20% |
雑所得として課税された場合、年収600万円の給与所得に仮想通貨利益100万円が上乗せされ、より高い税率区分で課税されるため、約30%の実効税率となります。一方、申告分離課税では所得の大きさに関わらず一律20%の税率が適用されるため、同じ利益に対して約10万円の節税効果があります。
ビットコイン(仮想通貨)の税金計算方法
ビットコインをはじめとした仮想通貨にかかる税金の計算方法には、大きく2つ存在しています。
- 総平均法
- 移動平均法
総平均法
総平均法は、ビットコインなどの仮想通貨の譲渡所得を計算する際に使用できる方法の一つです。この方法では、保有している仮想通貨の取得価額を平均化して計算します。
具体的な計算方法としては、まず保有している仮想通貨の総取得価額(購入金額の合計)を総保有数量で割ることで、1単位あたりの平均取得価額を算出します。その後、売却した際には、この平均取得価額を基に譲渡所得を計算します。
例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。
- 1回目:50万円で0.1BTCを購入
- 2回目:60万円で0.1BTCを購入
この場合、総取得価額は110万円(50万円+60万円)、総保有数量は0.2BTC(0.1BTC+0.1BTC)となり、平均取得価額は55万円/0.1BTCとなります。
0.05BTCを70万円で売却した場合、譲渡所得は「70万円−(55万円×0.5)=42.5万円」となります。
総平均法のメリットは、計算が比較的シンプルで、頻繁に取引を行う場合でも管理がしやすい点です。一方、デメリットとしては、相場が上昇傾向にある場合、他の計算方法と比べて税負担が大きくなる可能性がある点が挙げられます。
なお、仮想通貨の確定申告の際には、総平均法を採用した旨を明記し、計算過程を示す資料を添付することが望ましいでしょう。一度採用した計算方法は継続して使用する必要があるため、慎重に選択することが重要です。
メリット
- 計算が簡単
- 年間の購入を一度で計算可能
- 価格変動の影響を受けにくい
デメリット
- 実際の取引損益と乖離する可能性
- 年末まで損益計算ができない
- 納税資金の準備が難しい
移動平均法
移動平均法は、仮想通貨の税金計算において最も一般的な方法の一つで、同一の仮想通貨を複数回取得する場合に特に適しています。この方法では、仮想通貨を新たに購入するたびに、保有する全ての同じ種類の仮想通貨の平均取得価格を再計算します。
例えば、1BTCを20万円で購入し、後に追加で1BTCを30万円で購入した場合、平均取得価格は25万円((20万円+30万円)÷2)となります。この状態で1BTCを30万円で売却すると、利益は5万円(30万円-25万円)となります。
流れを分かりやすく箇条書きでまとめると、以下の通り。
- 最初の購入:1BTC を 20万円で購入
- 追加購入:1BTC を 30万円で購入
- 平均取得価格の計算:(20万円 + 30万円) ÷ 2 = 25万円/BTC
- 売却:1BTCを30万円で売却
- 利益計算:売却価格 – 平均取得価格 = 30万円 – 25万円 = 5万円
- 確定した利益:5万円(課税対象)
日本では、個人投資家は移動平均法と総平均法のいずれかを選択できますが、仮想通貨を扱う企業は移動平均法を使用することが義務付けられています。移動平均法は取引ごとに平均単価が更新されるため、頻繁に取引を行う投資家にとって正確な損益計算が可能になります。
ただし、移動平均法は仮想通貨を購入するたびに平均取得価格を再計算する方法で、取引の実態をより正確に反映できる一方、計算の煩雑さが最大の課題となります。特に取引頻度が高い場合は、専用の計算ツールの活用が推奨されています。
メリット
- 実際の取引利益に近い計算が可能
- リアルタイムで評価額を把握できる
- 早期の税金予測が可能
デメリット
- 計算が複雑で非常に手間がかかる
- 相場上昇時に利益が大きくなる
- 取引量が多いと作業負担が増大
総平均法と移動平均法の比較
総平均法と移動平均法、両者の最大の違いは計算タイミングにあります。移動平均法は購入の度に取得単価を計算するのに対し、総平均法は基準期間の最後にまとめて計算します。
以下の表で両方の特徴を比較してみましょう。
比較項目 | 総平均法 | 移動平均法 |
計算方法 | 期間内全体の購入金額合計÷購入数量合計 | 仮想通貨を購入する度に取得価額を算出 |
計算の手間 | 比較的簡単 | やや複雑 |
届出 | 不要(デフォルト) | 税務署への届出が必要 |
適した状況 | 相場上昇トレンド時 | 経済実態により即した方法 |
変更制限 | 原則3年間は変更不可 | 原則3年間は変更不可 |
同じ取引内容でも計算方法によって税務上の所得に差が生じることがあります。例えば、相場上昇トレンドでは総平均法を用いると取得単価が上昇し、所得金額が減少する可能性があります。ただし、将来的に全ての資産を売却した場合の総所得金額は両方法とも一致します。
なお、2025年度の確定申告では、選択した計算方法を一貫して適用する必要があります。
サラリーマンにかかる仮想通貨の税金計算例
サラリーマン(会社員)の仮想通貨取引による利益に対する税金は、所得税と住民税を合わせて最大で55%程度になる可能性があります。仮想通貨の利益は「雑所得」として扱われ、給与所得と合算して総合課税の対象となります。
以下に、年収別・利益別の税金計算例を表にまとめました。なお、計算にあたっては基礎控除(38万円または48万円)を考慮し、給与所得控除も適用しています。また、所得税に加えて復興特別所得税(所得税額の2.1%)も含まれています。
年収別・仮想通貨利益別の税金額一覧表は以下の通り。
年収 | 利益100万円 | 利益200万円 | 利益500万円 |
300万円 | 約15万円 | 約30万円 | 約82万円 |
400万円 | 約18万円 | 約36万円 | 約98万円 |
500万円 | 約22万円 | 約44万円 | 約114万円 |
600万円 | 約26万円 | 約52万円 | 約130万円 |
700万円 | 約30万円 | 約60万円 | 約146万円 |
800万円 | 約34万円 | 約68万円 | 約165万円 |
900万円 | 約39万円 | 約78万円 | 約185万円 |
1000万円 | 約44万円 | 約88万円 | 約206万円 |
1200万円 | 約53万円 | 約106万円 | 約247万円 |
1500万円 | 約67万円 | 約134万円 | 約312万円 |
注意事項として、以下ご了承ください。
- この表は所得税(国税)と住民税(地方税)の合計概算額です
- 実際の税額は基礎控除や各種所得控除によって変動します
- 復興特別所得税(所得税額の2.1%)も含めた概算です
- 仮想通貨の利益は「雑所得」として総合課税されます
- 給与所得と雑所得を合算した総所得に対して累進税率が適用されます
具体的なシミュレーションをしてみましょう。例えば、年収700万円のサラリーマンが仮想通貨取引で300万円の利益を得た場合は、以下の税金がかかります。
- 所得税:約61万円
- 住民税:約30万円
- 合計税金:約91万円
つまり、300万円の利益に対して91万円の税金がかかるため、税引後の実質的な利益は209万円(300万円-91万円)となります。
なお、仮想通貨を保有しているだけでは課税されません。売買や交換によって利益が確定した場合にのみ課税対象となります。ビットコインは今後成長していくと予測されているため、売らずに長期保有しておくのも手です。
ビットコインの税金計算に役立つツール
ビットコインなどの仮想通貨の税金計算はとても複雑で、個人で行うのは至難の技です。それによって利益を隠そうとする企業や個人が跡を絶ちませんが、仮想通貨の税金がばれないという考えは間違いであるため、利益は真摯に申告する必要があります。しかし、正直面倒だと感じる人も多いのではないでしょうか。
そこでここでは日本国内でよく用いられている税金計算に役立つ計算ツールをご紹介。
- Gtax(ジータックス):国内外ほぼ全ての取引所・仮想通貨に対応、100件まで無料で損益計算可能。税理士も多く利用し、マイニングやNFT取引も登録できるのが特徴
- CRYPTACT(クリプタクト):2万4000種以上の通貨・139取引所に自動対応、DeFiやNFTも自動識別。API連携で取引履歴を一元管理、初心者でも簡単操作が強み
Gtax(ジータックス)
Gtaxは株式会社Aerial Partnersが提供する仮想通貨の損益計算を自動で行うソフトウェアです。ビットコインを含む仮想通貨取引で20万円以上の利益が出た場合、確定申告が必要となりますが、その際の複雑な損益計算をシンプルに完了させることができます。
Gtaxの主な特徴は以下の通りです。
- 取引所から取得した取引履歴をアップロードするだけで自動計算が可能
- 国内No.1の対応取引所数で、国内外の主要取引所に対応
- 移動平均法・総平均法の両方の計算方式に対応している
使い方は非常にシンプルで、取引所から取引履歴を取得し、Gtaxにアップロードするだけで計算が完了します。取引件数が100件以下かつ海外取引所での取引がない場合は「フリープラン(無料)」で利用可能です。また、節税シミュレーション機能も搭載されており、保有する仮想通貨の損益を調整するための売買を簡易的に検証することができます。
特に複数の取引所を利用している場合や、仮想通貨同士の交換取引が多い場合は、手動での計算が非常に複雑になるため、Gtaxのような専用ツールを活用することで確定申告の時間を大幅に削減できます。税理士や企業も利用する信頼性の高いツールとして、仮想通貨投資家に広く活用されています。
メリット
- 取引件数100件まで無料で利用可能
- 仮想通貨GSTなどマイナーな銘柄にも対応
- 税理士事務所でも多く採用されている信頼性
デメリット
- DeFi取引は手動入力が必要
- 有料プランでないと機能制限がある
- スマートフォンアプリに非対応
CRYPTACT(クリプタクト)
クリプタクトは、2018年に設立された株式会社クリプタクトが提供する日本最大級の仮想通貨自動損益計算サービスです。仮想通貨取引で得た所得は「雑所得」として総合課税の対象となり、最大税率は55.945%にもなるため、正確な計算が非常に重要です。クリプタクトを利用すれば、複雑で難しい仮想通貨の損益計算や確定申告準備を大幅に効率化できます。
クリプタクトの主な特徴は以下の通りです。
- 国内外130カ所以上の取引所、2万4000種類以上の仮想通貨に対応しており、取引履歴をアップロードするだけで自動計算が可能
- DeFiやNFT取引も自動で識別し、無料のFreeプランでも国内外取引所の損益を自動計算
- 移動平均法、総平均法、FIFO(先入先出)、LIFO(後入先出)の4つの在庫管理方式に対応
2025年にリリースされた「仮想通貨の税金シミュレーションツール」では、最短1分で自動計算が可能で、給与所得などの他の所得も含めた総合的な税額シミュレーションができます。また、ふるさと納税の上限額も簡単に確認できるため、投資戦略を立てる際に非常に役立ちます。
税理士や公認会計士などのプロも利用している信頼性の高いサービスで、確定申告の手間を大幅に削減できるでしょう。
メリット
- 2万4000種類以上の仮想通貨に対応
- 取引データで自動計算が可能
- DeFi・NFT取引も自動識別
デメリット
- 有料プランは高額になりうる
- 未分類取引の解消作業が大変
- 一部取引所・通貨に未対応
ビットコインの税率変更での注意点
今後日本のビットコイン利益にかかる税率は改正される見込みですが、必ずしもポジティブな影響ばかりではないため、ここで具体的な影響を押さえておきましょう。
確定申告の方法が変わる可能性がある
まず、ビットコインなど仮想通貨の確定申告の計算方法が変わる可能性があります。
現在の総合課税(最大税率55%)から申告分離課税導入後の主な変更点は以下の通り。
- 税率の一律化:現在の総合課税では所得に応じて5%〜45%の累進課税率が適用されるが、申告分離課税では所得金額に関わらず一律20.315%の税率が適用される
- 所得の区分変更:総合課税では仮想通貨の利益は「雑所得」として他の所得(給与所得など)と合算して税額計算されていたが、申告分離課税では「譲渡所得」として他の所得と分離して計算されるように
- 損失繰越控除の適用:総合課税では仮想通貨取引の損失は他の所得と相殺できず、翌年以降への繰越もできなかったが、申告分離課税では最長3年間の損失繰越控除が可能になり、将来の利益と相殺できるように
確定申告の際は、新しい税制に対応した正確な取引記録の管理がこれまで以上に重要になるでしょう。
必ずしも税金が下がるとは限らない
2026年以降に導入が期待されるビットコインの申告分離課税ですが、すべての投資家にとって有利になるわけではありません。申告分離課税の税率は一律20.315%となるため、所得によっては現行の総合課税より税負担が増える場合があります。
特に注意すべき点は以下の2つです。
- 年収330万円以下の場合は不利になる可能性:所得が約330万円以下の場合、総合課税の税率(5%〜10%)のほうが申告分離課税(20.315%)より低くなる。副業として少額の仮想通貨取引を行っている方は税負担が増加する恐れあり
- 損益通算の範囲が狭まる:現在の総合課税では不動産所得や事業所得など幅広い所得との損益通算が可能だが、申告分離課税になると株式やFXなど同じ申告分離課税が適用される所得としか損益通算できなくなる
また、すべての仮想通貨が申告分離課税の対象になるわけではなく、「一定の暗号資産」に限定される可能性も高いため、ソラナミームコインなど、保有する仮想通貨の種類にも注意が必要です。
まとめ
本記事ではビットコインなどの仮想通貨の税率一覧や税金制度の改正に関する最新情報、具体的な計算方法や計算に役立つツールを紹介してきました。
計算ツールを使えば確定申告が楽になりますし、今後申告分離課税へ移行するとなれば、ビットコインの税率に悩むことも少なくなるでしょう。今後はより一層、仮想通貨の1000倍銘柄のような可能性のある通貨に投資しやすくなります。
本サイトでは仮想通貨の分離課税がいつから始まるかも解説しています。また、ビットコインの税率改正に向けて本格的に投資を検討している方は、ぜひおすすめ仮想通貨の記事も参考にしてください。
参考資料
- ビットコインなど「金融商品」に位置付け検討…法改正で規制強化、利益にかかる税率の引き下げも議論へ
- 暗号資産を国民経済に資する資産へ、デジタル社会推進本部・金融調査会が緊急提言
- 仮想通貨の税務上の取扱い-現状と課題-
FAQs
ビットコインで500万円稼いだら税金はいくらですか?
ビットコインで500万円稼いだ場合、所得税20%と住民税10%で合計約70.4万円の税金がかかります。ただし、これは他の収入がない場合の金額で、給与所得などがある場合は合算して計算され、税率が変わる可能性があります。
ビットコインをほったらかしにしておくと税金はかかりますか?
ビットコインを購入して保有しているだけの状態では、含み益が出ていても税金はかかりません。税金は売却や他の仮想通貨との交換など、利益を確定させた時点で発生します。
ビットコインで1000万円儲けたら税金はいくらですか?
ビットコインで1000万円の利益を得た場合、現在の日本の税制では「雑所得」として総合課税の対象となります。所得税と住民税を合わせて約276万円の税金がかかります。これは所得税率33%と住民税10%が適用されるためです。
ビットコインの税金は何パーセントですか?
ビットコインを含む仮想通貨の利益は「雑所得」として総合課税の対象となり、所得税(5〜45%)と住民税(10%)を合わせて最大55%の税率がかかります。税率は他の所得と合算した金額によって段階的に上昇する累進課税方式です。株式投資(一律約20%)と比べると高い税率となっていますが、仮想通貨の税金に抜け道は無いため、誠実に対応してください。
仮想通貨はいつ分離課税になりますか?
仮想通貨の分離課税は2026年以降の導入が有力視されています。2025年1月の通常国会で議論が進み、金融庁は2025年6月末までに制度見直しの検証を行う方針です。申告分離課税が実現すれば、現在の最大55%から一律20.315%の税率となり、投資家の税負担が大幅に軽減されます。
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2013年に設立された99Bitcoinsのチームメンバーは、ビットコイン黎明期から仮想通貨のエキスパートとして活躍してきました。
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