ビットコインウォレットとは？種類や使い分けを初心者向け解説

ビットコインウォレットとは、ビットコインをはじめとする仮想通貨を保管・送受信できるデジタルツールです。暗号資産（仮想通貨）ウォレットとも呼ばれ、仮想通貨を安全に管理するためにはなくてはならない存在になっています。

本記事では、あなたが最適なビットコインウォレットを選べるように、事前に知っておくべき情報や注意点を初心者向けにわかりやすく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

ビットコインウォレットについて解説した動画版はこちら

ビットコインウォレット完全ガイド【2025年版】

ビットコインウォレットとは、秘密鍵を安全に保管し、ブロックチェーン上での送金を可能にするツールです。主に以下の2種類があります。

• 秘密鍵を自分で管理する「非カストディアル型」ウォレット
• 取引所などが管理する「カストディアル型」ウォレット

近年は、スマートフォンアプリとして提供されるビットコインウォレットが増加し、より手軽に利用できるようになっています。

この記事では、2025年におけるビットコインウォレットのおすすめの選び方から、各ウォレットの特徴、セキュリティ対策まで詳しく解説していきます。

ビットコインを安全に管理するために必要な情報をすべて網羅しました。後で読み返せるよう、ブックマークをお勧めします。

ビットコインウォレットとは？

ビットコインウォレットとは、仮想通貨ウォレットの一種で、ブロックチェーン上の資産を管理するためのプログラムです。スマートフォン、パソコン、専用ハードウェアなど、様々な形態で提供されています。

このウォレットは、メールの仕組みに似ています。メールの送受信にGmailやOutlookが必要なように、ビットコインの購入や送受信にはウォレットが必要です。また、メールアドレスのように、ビットコインを受け取るための固有のアドレスが存在します。

ビットコインアドレスの例： 1BoatSLRHtKNngkdXEeobR76b53LETtpyT

（ビットコインアドレスは「1」「3」「bc1」で始まります）

さらに、メールにパスワードが必要なように、ビットコインウォレットには「秘密鍵」という重要な情報があります。これは、ウォレットが自動的に生成する文字列で、絶対に第三者に教えてはいけません。

秘密鍵は、オフラインで保管することが推奨されます。パソコン上のファイルではなく、紙に書き留めるか、インターネットに接続していないUSBメモリなどに保存しましょう。

ビットコインウォレットにおける秘密鍵とは

秘密鍵は、ビットコインウォレットの中核を担う重要な要素です。長い数字と文字の組み合わせで構成され、これを知る人が仮想通貨資産を自由に管理できます。そのため、秘密鍵の管理は資産管理の基盤となります。

ウォレットの作成手順は以下の通りです。

1. ウォレットアプリをダウンロード
2. アプリが自動的に秘密鍵を生成
3. 秘密鍵から数学的アルゴリズムによってビットコインアドレスを生成

ビットコインアドレスは秘密鍵から作られますが、アドレスから秘密鍵を逆算することは不可能です。

ビットコインウォレットの本質的な役割は、この秘密鍵の生成と管理です。万が一スマートフォンを紛失しても、秘密鍵をバックアップしておけば、新しいデバイスでウォレットを復元可能です。

シードフレーズの安全な管理方法

ビットコインウォレットで最も重要なのは、12～24個の単語からなる「シードフレーズ」の管理です。このフレーズがあれば、ウォレットの復元が可能になります。

シードフレーズの保管には、おすすめの専用デバイス「Cryptotag」が便利です。チタン製の耐久性に優れたプレートに刻印できるため、火災や水害からも大切な情報を守れます。Ledger、Trezor、Metamaskなど、主要な仮想通貨ウォレットとの互換性も確保されています。

Cryptotagで確認する

カストディアル型と非カストディアル型の違い

ビットコインウォレットは、大きく2つのタイプに分類されます。

• 非カストディアル型：ユーザー自身が秘密鍵を管理するタイプです。自己管理の責任が伴いますが、資産を完全に自分でコントロールできます。そのため、セキュリティを重視する方にはこのタイプのビットコインウォレットがおすすめと言えます。
• カストディアル型：取引所などが秘密鍵を管理するタイプで、銀行口座に似た仕組みです。利便性が高い一方で、運営会社のリスクを負います。具体的には、資産の凍結や運営会社の破綻、不正行為などのリスクが含まれます。

「Not your keys, not your coins（自分の鍵を持たないなら、それは自分のビットコインではない）」という格言は、カストディアル型のリスクを的確に表現しています。ただし、自己管理に自信がない場合は、カストディアル型を利用するのも選択肢の一つです。

HDウォレットの進化

ビットコインウォレットの技術進化により、HD（階層型決定性）ウォレットが誕生しました。このタイプのウォレットは、複雑な秘密鍵の代わりに「シード」または「ニーモニックフレーズ」という覚えやすい単語列を使用。

長い数字と文字の羅列と比べ、12個の一般的な単語を記録する方が格段に管理しやすいです。

HDウォレットには、次のような特徴があります。

• 同じシードから複数のビットコインアドレスを生成できます
• 1つのシードで複数のアドレスを一括管理できるため、資産管理が効率的

このような特徴から、HDウォレットはビットコインウォレットの中でもおすすめの選択肢となっています。シンプルな操作性と高い安全性を兼ね備えたアプリも多く登場し、初心者にも使いやすい環境が整っています。

ビットコインウォレットの種類

ビットコインウォレットは、大きく分けてコールドストレージとホットウォレットの2種類があります。

コールドストレージ【安全な長期保管向け】

コールドストレージ（コールドウォレット）は、インターネットから切り離された環境で管理するビットコインウォレットです。オンライン攻撃から安全で、最も堅牢な保管方法といえます。主なタイプには次のものがあります。

• ハードウェアウォレット
• ペーパーウォレット
• ブレインウォレット

なお、すべてのコールドストレージは非カストディアル型となっています。

ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットは、秘密鍵を安全に保管するための専用デバイスです。一般的にUSBメモリの形状で、パソコンに接続するか、スマートフォンと連携して使用します。

ハードウェアウォレットは、接続先のパソコンがマルウェアに感染していても秘密鍵を守れるよう設計されています。公共のパソコンでも安全に利用できるのが特徴です。送金時は、ハードウェアウォレットをパソコンに接続し、専用ソフトウェアやWebサイトから操作します。

セキュリティと使いやすさのバランスが取れているのが魅力ですが、送金の度にデバイスが必要な点と、購入費用がかかる点がデメリットとなります。

ハードウェアウォレットには、主に2つのタイプがあります。

• TrezorやLedgerに代表される従来型：操作時にパソコンとの接続が必要です
• EllipalやNGRAVEなどのエアギャップ型：物理的な接続を必要とせず、QRコードでデータをやり取りできます

どちらが優れているという明確な証拠はなく、接続方式の違いは好みの問題といえます。以下に、主要モデルの特徴をまとめました。

ペーパーウォレット

ペーパーウォレットは、秘密鍵やシードフレーズを紙に記録するシンプルな方法です。物理的なアクセスがなければ盗難のリスクはありませんが、紙の紛失や破損のリスクがあるため、複数のコピーを作成することが推奨されます。

送金する際は、デジタルウォレットに秘密鍵をインポートする必要があります。この手間や、ハードウェアウォレットの普及に伴い、現在ではペーパーウォレットの利用は減少しています。

ホットウォレット【日常的な取引に便利】

ホットウォレットは、インターネット接続を必要とするウォレットの総称です。以下の形態が一般的です。

• Webサービス型
• パソコンにインストールするソフトウェア型
• スマートフォンアプリ型

オンラインでの利便性が高い反面、インターネットを介したアクセスリスクがあるため、セキュリティ面での脆弱性が課題です。

現在主流のホットウォレットは、パソコンとスマートフォンの両方で利用できるクロスプラットフォーム対応が特徴です。

デスクトップウォレット

デスクトップウォレットは、パソコンに秘密鍵を保存するタイプのホットウォレットです。パソコンのセキュリティが維持されている限り安全ですが、マルウェアやウイルスに狙われやすい点に注意が必要です。

モバイルウォレットとアプリ

モバイルウォレットは、スマートフォンに秘密鍵を保存するタイプのウォレットです。ハードウェアウォレットほどの安全性はありませんが、ブラウザ拡張機能型ウォレット（MetaMaskやPhantomなど）よりは安全とされています。

スマートフォンの紛失や盗難のリスクを軽減するため、以下の対策が推奨されます。

• 2要素認証の設定
• アプリのパスワードロック
• 秘密鍵のバックアップ

モバイル型のビットコインウォレットの最大の特徴は、アプリとしての使いやすさです。パソコンや専用デバイスがなくても、スマートフォンだけでビットコインを管理できます。

ただし、セキュリティの観点から、多額の資産をモバイルウォレットに保管することは避けるべきです。

Webウォレット

仮想通貨取引所や各種サービスでよく見かけるWebウォレットは、運営会社が秘密鍵を管理する「カストディアル型」のため、セキュリティリスクが最も高い仮想通貨ウォレットです。

Webウォレットのリスクには、以下のようなものがあります。

• サイト自体の脆弱性による不正アクセスやハッキングの可能性があります
• アクセスに使用するデバイスのセキュリティ面での懸念が存在します
• インターネット接続時の通信の安全性に不安が残ります

一方で、以下のような利点も備えています。

• 仮想通貨の即座の売買が可能です
• 手軽に送金できます
• どこからでもアクセスできて便利です

セキュリティ意識の高いWebウォレットサービスは、2要素認証などの追加的な保護機能を提供しています。ただし、大量の資産保管には適していません。初心者がよく陥る失敗の一つが、Webウォレットに多額の仮想通貨を保管することです。

KYC不要のウォレット

KYC（本人確認）不要のウォレットについて、動画で解説しています。

KYC不要のウォレットの主な特徴は以下のとおり。

• 個人情報の提供が不要
• プライバシー重視のユーザーに人気
• 非カストディアル型が基本
• 資産の完全な自己管理が可能
• 取引所などとの連携に制限あり
• セキュリティは自己責任

プライバシーを重視しながら使いやすさも確保したい場合は、KYC不要のウォレットも選択肢の1つになりますが、リスクを理解した上で利用することが重要です。なお、KYCなしの仮想通貨取引所も参考にしてください。

ビットコインウォレットのセキュリティでチェックすべき項目

ビットコインウォレットで資産を安全に管理するためのポイントをご紹介します。

• マルチシグの活用：複数の秘密鍵による承認が必要な設定で、セキュリティが向上します。「2-of-3」方式なら、3つの鍵のうち2つで承認する仕組みにより、単一の鍵の漏洩リスクを抑制できます。
• コールドストレージの活用：オフライン保管できるハードウェアウォレットやペーパーウォレットは、オンライン攻撃から資産を守ります。大量のビットコインを長期保管する場合は、LedgerやTrezorなどの実績あるハードウェアウォレットがおすすめです。
• シードフレーズの保護：ウォレット復元に不可欠なシードフレーズは、Cryptotagなどの耐久性の高い専用デバイスで保管すると安心です。オフラインでの保管を徹底し、他人との共有は避けましょう。
• 2要素認証（2FA）の設定：特にホットウォレットの利用時は、2FAを必ず有効にします。Google AuthenticatorやAuthyなどの認証アプリで、アカウントの不正アクセスを防止できます。

自分に合ったビットコインウォレットの選び方

ウォレットは用途や状況に応じて選択します。大量の日とコインの保管にはコールドストレージが、少額決済には携帯電話のウォレットアプリが適切です。初心者の方は、まずモバイルやデスクトップのホットウォレットからスタートするのがおすすめです。

ウォレット選びで考慮すべきポイントは以下のとおり。

• 保管予定の資産額
• 使用頻度
• 予算
• 対応通貨の種類
• モビリティの必要性
• 共同利用の有無
• 技術的な習熟度
• プライバシーの重要度
• 自己管理の自信

複数のウォレットを使い分けるのも効果的な方法です。例えば、

• ハードウェアウォレットで大量の資産を保管
• モバイルウォレットで日常的な取引
• ブラウザ拡張ウォレットでDeFiサービスを利用

このように使い分けることで、デバイスの故障や盗難があっても、すべての資産を失うリスクを軽減できます。

ビットコインウォレットを入手する方法

デスクトップウォレットとモバイルウォレットは、インターネットから無料でダウンロードできます。ハードウェアウォレットは公式サイトでの購入が必要です。Webウォレットは、各サービスへの登録で利用開始できます。

ハードウェアウォレットを購入する際は、必ず製造元の公式サイトから入手してください。非公式の販売者や中古品を避けるべき理由は以下の通りです。

• 改ざんされている可能性：資産を盗まれるリスクがあります。
• 前所有者が秘密鍵を保持している可能性：ウォレットの安全性が確保されません。

これらの場合、仮想通貨の資産が永久に失われる危険性があります。