ドバイの仮想通貨規制当局(VARA)は12日、モネロやジーキャッシュなどの匿名性が高い仮想通貨を全面的に禁止すると発表した。

VARAが発表した包括的な規制ガイドラインによると、ドバイ内での「匿名性が強化された暗号資産(仮想通貨)の発行」および関連するすべての活動が禁止される。

この措置は、高度な暗号技術によって取引の追跡を困難にするプライバシーコインを明確に標的としている。

規制の枠組みでは、ドバイで活動する仮想通貨企業に対して厳格なライセンス要件も設けられた。すべての仮想通貨サービスプロバイダーは、VARAから適切な認可を取得することが義務付けられている。

今回の制限は現在ドバイのみに適用されるが、アラブ首長国連邦(UAE)の他の6つの首長国にも同様の規制が拡大されるかは不明だ。

この動きは、ビットコイン(BTC)のような標準的な仮想通貨と、匿名機能を強化した通貨を明確に区別するものとなる。

犯罪防止と世界的な規制強化の流れ

VARAによる禁止措置は、追跡不可能な取引を通じて行われるマネーロンダリングやテロ資金供与、組織犯罪への懸念が背景にあるとみられる。

規制当局は、金融犯罪を防止するために取引の透明性を確保しようとしている。

UAEは歴史的にプライバシー技術に対して厳しい管理を行ってきた。

2016年にはSignalやWhatsAppなどのプライベートメッセージングアプリを禁止した経緯があり、今回の措置もその延長線上にあると考えられる。

こうした規制環境の変化は、Zcash(ジーキャッシュ)などの匿名通貨の利用に大きな影響を与えるだろう。

プライバシーコインに対する規制圧力は世界的に高まっている。オーストラリアは2020年に同様の措置を講じており、欧州連合(EU)も同様の制限を検討しているとの報道がある。

金融犯罪の追跡と防止に関する議論は国際的なトレンドとなっている。

業界への影響と今後の展望

今回の発表は、UAE全体での広範な規制変更の中で行われた。

新たな連邦令では、無許可の金融活動に対して懲役や罰金が科されることになり、罰金は最大で5億ディルハム(約214億円)に達する可能性がある。

VARAは最近、マーケティング違反などで7つの仮想通貨企業に対して業務停止や罰則を科した。

こうした厳しい姿勢は、ドバイが目指してきたブロックチェーンイノベーションの中心地としての地位に影響を与える可能性がある。

業界の専門家からは、この規制が仮想通貨の普及を妨げる可能性があるとの指摘も出ている。

多くのデジタル資産にはある程度の匿名性が備わっており、プライバシー機能を強化するプロジェクトを排除することは技術革新を阻害する恐れがある。

ポイント

  • ドバイ当局がモネロやジーキャッシュなどの匿名通貨を全面的に禁止した
  • マネーロンダリングやテロ資金供与などの犯罪防止が主な目的とされる
  • 業界からはドバイの仮想通貨ハブとしての成長を阻害するとの懸念も出ている

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由利 匠
由利 匠
暗号資産ジャーナリスト

日本語版99Bitcoinsニュースライター。5年ほど仮想通貨メディアでニュース... 続きを読む

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