韓国の金融委員会(FSC)は6日、国内の上場企業および専門投資家による暗号資産(仮想通貨)取引を、約9年ぶりに解禁する方針案を公表した。
対象銘柄は仮想通貨時価総額上位20位まで
金融当局が提示した指針案によると、法人が仮想通貨に投資できる金額は、年間で自己資本の5%を上限とする。
投資対象となる銘柄も、国内主要5取引所が提供するデータを基に、仮想通貨時価総額ランキング上位20位以内の銘柄に限定される方針だ。
規制緩和により、上場企業や登録済みの専門投資法人など、約3500社が市場に参入できる見通しとなっている。
米ドルに連動するステーブルコインUSDTについては、投資対象として認めるかどうかを巡り、規制当局間で議論が続いている。
最終的なガイドラインは、韓国政府の2026年経済成長戦略の一環として、2026年1~2月に公表される予定だ。
9年ぶりの方針転換、資本流出が見直しの背景に
韓国では2017年以降、投機やマネーロンダリングへの懸念から、法人による仮想通貨投資が原則禁止されてきた。
しかし2025年には、国内投資家が160兆ウォン(約1100億ドル、約17兆3800億円)を超える資金を海外仮想通貨取引所に移転したとされ、深刻な資本流出が顕在化した。
国内では提供されていないレバレッジ商品などを求めた動きが背景にあり、こうした規制の空白が政策見直しを迫る要因となった。
一方、投資上限を自己資本の5%とする点については、業界から懸念の声も上がっている。
米国、日本、香港、EUなど主要市場では、法人保有に同様の上限を設けていないためだ。
海外にない制約を課すことで資本流入が鈍化し、有望なアルトコインへの投資を専門とする企業の成長を阻害しかねないとの指摘もある。
現在、韓国の仮想通貨市場は取引のほぼ100%を個人投資家が占めており、機関投資家の取引比率が8割を超えるコインベースなど海外大手取引所とは対照的だ。市場構造の近代化が急務となっている。
規制整備と仮想通貨ETF導入を並行検討
金融当局は投資解禁に合わせ、相場操縦を防止するため、注文サイズの制限などを取引所に義務付ける方針だ。
また、ステーブルコインを対象とする包括的な規制枠組みを整備する「第2段階」の法制度も進めている。
発行者にはライセンス取得、資本要件の充足、発行額の100%を裏付ける準備資産の保有・管理などが求められる。
さらに政府は、米国や香港の事例を踏まえ、2026年中に現物仮想通貨ETFを導入する構想も掲げている。
2030年までには、国庫資金の最大4分の1を、中央銀行が発行するデジタル通貨などを預金トークンとして活用する案も検討中だ。
一方、ステーブルコインを巡る規制権限については、韓国銀行(中央銀行)と金融委員会の間で見解の相違も表面化。
韓国銀行は、銀行が発行者株式の過半数を保有すべきだと主張するのに対し、金融委員会は「市場参入やイノベーションを阻害する」として慎重な姿勢を示している。
ポイント
- 韓国金融委員会が法人の仮想通貨取引を解禁する指針案を提示、投資額は資本金の5%を上限とする。
- 投資対象は時価総額上位20銘柄に限定され、約3500社が市場参入の対象となる見込みだ。
- 2017年以来の禁止措置を撤回し、海外への資本流出防止と市場の近代化を図る狙いがある。
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