民間の任意団体である日本仮想通貨被害協会は20日、暗号資産詐欺の被害者に向けて、ブロックチェーン上の送金経路をたどる追跡調査の提供を始めた。
相談料は0円で、報告書は送金1件につき1万1980円の固定額とし、成功報酬は取らない。警察庁の統計では、暗号資産を送らせる形の詐欺は2025年に年4075件・463億円規模まで膨らんでいる。
報告書は1件1万1980円、着金先に届かなければ全額返金
日本仮想通貨被害協会の発表によると、被害者が入力するトランザクションハッシュと送金先アドレスをもとに資金の移動を段階的にたどり、最終的な到達先を推定する。
相談窓口を運営するのは、富山県射水市に本社を置く株式会社TP techとなる。
報告書はPDFで納品し、入金の確認後は最短で翌営業日に届く。実際のトランザクションハッシュを記載し、日時・金額・チェーン・通貨の時系列一覧を添える。
受け取った警察や弁護士、暗号資産交換業者が公的なブロックエクスプローラーで同じ結論をたどれる形だ。
対応するチェーンはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、BNBスマートチェーン、ポリゴン、トロン(TRX)の5つとなる。着金先に到達する前に追跡が止まった場合も、どこまでたどれたかを記した報告書を出したうえで全額を返金する。
暗号資産を送らせる詐欺は年4075件・463億円
警察庁が2026年5月22日に公表した2025年の確定値によると、SNS型投資詐欺のうち被害金の交付形態が暗号資産送信型のものは1898件で被害額は215.5億円、SNS型ロマンス詐欺では2177件で247.7億円となった。合算すると年4075件・463.2億円にのぼる。
件数はSNS型投資詐欺で前年比149.1%増、SNS型ロマンス詐欺で177.0%増と、いずれも2倍以上に増えた。
SNS型投資・ロマンス詐欺全体では認知件数が1万5168件、被害額が1834.3億円で、暗号資産の管理はハードウェアウォレットを含めた自衛の手段とあわせて問われる場面が増えている。
協会は、被害者に対して「必ず取り戻せます」と持ちかける勧誘が確認されているとして、資金の返還を確約できる民間事業者は存在しないと注意を促した。
調査で判明しないものとして、相手の氏名や住所、資金返還の可否、加害者の特定を挙げている。取引の入口を知りたい場合は仮想通貨の買い方に手順がまとまっている。
ポイント
- 送金経路の追跡報告書を1件1万1980円の固定額で提供する。
- 対応チェーンはBTCやETHなど5つで、最短翌営業日に納品する。
- 暗号資産送信型の詐欺は2025年に年4075件・463億円だった。
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