仮想通貨ウォレットMetaMask(メタマスク)を開発するConsensys(コンセンシス)は18日、北朝鮮関連の開発者がシステムにアクセスしていたと発表した。
サードパーティ経由でのシステム侵入
問題の開発者は「タイラー・ナップ」という偽名を使用し、開発プラットフォーム上でも別のアカウント名を名乗っていた。
同社が直接雇用したわけではなく、サードパーティのサービスプロバイダーを通じてコンサルタントとして業務に参加していた。
2026年3月9日頃から活動を始め、仮想通貨から法定通貨への変換機能やモバイルウォレットのコードなど、メタマスクの重要なコアコードに貢献していた。
特に、イーサリアム関連のトランザクション処理において、彼が関与したコードの精査が行われた。
コンセンシスは不審な活動を検知し、4月にこの開発者のアクセス権を完全に取り消した。システムへのアクセス期間は、約1ヶ月間に及んだ。
コンセンシスのマット・コルバ法務顧問は、脅威を迅速に発見し、即座にアクセスを遮断したと説明している。徹底した社内調査の結果、資産やデータの不正流用、悪意のあるコードの展開は確認されなかった。
ユーザーの安全性への影響もなかったという。万が一の事態に備え、ビットコインなどの主要な仮想通貨の管理体制も再評価されている。
業界全体に広がるセキュリティの懸念
今回の事件は、外部委託のエンジニアリングワークフローやサードパーティの請負業者がもたらすリスクを浮き彫りにした。
北朝鮮に関連する攻撃者は、偽の身元やリモートワークを利用してテクノロジー企業や仮想通貨企業を標的にするケースが増加している。外部プロバイダーが身元確認に関与する場合、特に注意が必要だ。
最近では、人工知能(AI)を活用した高度な身元偽装の手法も報告されており、企業側の対策が急務となっている。
コンセンシスは不審な活動が特定された後、内部のセキュリティプロトコルを発動させた。
調査期間中は製品のリリースを一時停止し、従業員に対して該当コンサルタントとの接触を避けるよう指示した。社内ではこの問題を機密事項として扱い、慎重に調査を進めた。
また、同社は法執行機関に通報するとともに、請負業者の審査プロセスを見直す対応をとった。開発者が北朝鮮と関連していると特定した具体的な根拠については、現時点で公表されていない。
ユーザーの資金喪失や本番システムの侵害がなかったことは、迅速な対応の成果と言える。
ポイント
- メタマスク開発元のコンセンシスに北朝鮮関連の開発者が一時的にアクセスした。
- 開発者は偽名を使用し、サードパーティを通じてコンサルタントとして参加していた。
- 迅速な対応によりアクセスは遮断され、ユーザーの資産やデータへの影響はなかった。
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