金融庁の金融審議会は3日、総会および金融分科会の合同会合を開き、暗号資産(仮想通貨)に関する制度改正の報告案を正式に了承した。

現行の「資金決済法」に基づく規制から、株式などと同様の「金融商品取引法(金商法)」へ移行することが柱だ。

仮想通貨を決済手段としてだけでなく、投資対象として明確に位置づける抜本的な見直しとなる。

金融庁は今回の報告案を踏まえ、2026年の通常国会への関連法案提出を目指す方針だ。

「資金調達型」など2区分に|仮想通貨インサイダー取引も禁止

了承された報告案では、仮想通貨を有価証券とは異なる新たな金融商品として位置づけ、第一種金融商品取引業に相当する厳格な規制を適用する方針が示された。

2025年9月から続いたワーキング・グループでの議論を踏まえ、仮想通貨は「資金調達・事業活動型」と「その他」の2種類に大別される。それぞれの特性に応じた情報開示や業者規制を設計するのが狙いだ。

今回の改正は、急速に拡大する市場における利用者保護の強化を主眼としている。

投資対象としての定着に伴い増加する詐欺的な勧誘事案などに対応するため、株式市場と同様の透明性が求められることになる。

具体的には、未公表の重要事実を知りながら売買を行うインサイダー取引の規制が新たに導入され、発行者や交換業者が厳しく規律される。

また、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など国内で扱われる約105銘柄を対象に、発行者による情報開示の充実が義務付けられるほか、サイバーリスクを考慮した顧客資産の安全管理も強化される。

銀行の仮想通貨保有解禁へ|監視委に調査権限付与

市場の健全化に向けた監視体制も抜本的に強化される。

証券取引等監視委員会には調査権限が付与され、違反行為に対する課徴金制度も整備される見通しだ。海外当局との相互主義に基づく調査協力も可能となり、国際的な不正への対応力も高まる。

一方で、市場活性化に繋がる規制緩和も盛り込まれた。

一定のリスク管理を条件に、銀行や保険会社が投資目的で仮想通貨を保有することが容認されるほか、金融機関の子会社による発行・売買・仲介業務も可能となる方向だ。

こうした動きを受け、業界団体の日本暗号資産取引業協会(JVCEA)などはガバナンス強化を急ぐとともに、法改正に合わせた税制改正要望を金融庁へ提出するなど、環境整備への動きを活発化させている。

投資家にとっては、新たな法的地位の確立に伴い、今後の仮想通貨税制議論の行方が焦点となりそうだ。

ポイント

  • 金融審議会が仮想通貨規制を資金決済法から金融商品取引法へ移行する案を了承した。
  • インサイダー取引の禁止や発行者の情報開示義務など、利用者保護策が大幅に強化される。
  • 銀行等の仮想通貨保有も条件付きで容認され、2026年の通常国会へ改正法案が提出される。

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谷元 千秋
谷元 千秋
暗号資産ジャーナリスト

2020年より暗号資産(仮想通貨)投資を開始。2021年より暗号資産の情報をブロ... 続きを読む

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