フィナンシャル・タイムズは1日、イラン国防省の輸出関連機関が兵器販売の決済手段として暗号資産(仮想通貨)の受け入れを提案していると報じた。

イラン国防省輸出センター(Mindex)は、弾道ミサイルやドローン、軍艦などの兵器を外国政府に輸出する際、仮想通貨での支払いを受け付ける方針を示しているという。

同機関はイラン国防軍需省(MODAFL)の輸出部門にあたり、3000種類以上の製品を取り扱っているとされる。

Mindexの公式サイトでは、契約時の決済方法として「デジタル通貨」のほか、購入国の現地通貨や物々交換も選択肢として列挙されている。

また、FAQ欄には制裁回避方針に基づき、契約履行に問題は生じないと明記されている。

制裁回避の新たな手段

報道によると、今回の動きは、米国による対イラン経済制裁が強化される中で浮上した。

米国はこれまで、イランの防衛関連企業や金融ネットワークへの監視を強めており、従来の銀行システムを通じた武器取引の収益確保が難しくなっている。

これに対し米財務省は、「仮想通貨であっても取引は追跡可能であり、制裁執行から逃れることはできない」と警告している。

暗号資産を利用した取引であっても、制裁違反として摘発されるリスクがあることを強調した形だ。

制裁回避を狙う主体が、規制の緩い仮想通貨海外取引所を利用する例も指摘されている。

過去の事例と国際的な監視

実際、イスラエル当局は最近、イラン革命防衛隊と関係する187の仮想通貨ウォレットを押収したと発表した。

これらのウォレットには、過去1年間で約15億ドル相当のステーブルコイン「テザー(USDT)」が送金されていたという。

テザーとは、米ドルと価値が連動するよう設計された暗号資産だ。

Mindexは35カ国で活動していると主張しているものの、具体的な取引相手国は公表されていない。

専門家は、制裁対象となっているイランの防衛ネットワークと取引を行うことは、買い手側にとっても二次制裁のリスクを伴うと警告している。

仮想通貨の利用が広がる中でも、国家安全保障に関わる取引は引き続き厳しい監視下に置かれる見通しだ。

ポイント

  • イラン国防省の輸出機関が兵器販売で仮想通貨決済を提案している。
  • 米国の経済制裁を回避し、外貨を獲得する狙いがあるとみられる。
  • 米国財務省は仮想通貨も監視対象であり、制裁リスクがあると警告した。

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渡辺 恵介
渡辺 恵介

2022年より暗号資産投資に取り組み、2023年からWeb3特化型メディアでライ... 続きを読む

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