SES事業を展開するエンジニアのミカタは8月28日、希望者に対して給与や業務委託報酬を日本円建てステーブルコインJPYCで支払う制度を開始すると明らかにした。
ステーブルコインによる報酬支払いの仕組み
今回の制度は、同社と労働協約を締結した労働組合に属する正社員のうち、希望する者を対象としている。
また、業務委託契約を結ぶ全メンバーについても、希望すればこの制度を利用することが可能だ。
対象者は、毎月の給与や業務委託報酬の一部、あるいは全額をステーブルコインで受け取ることができる。
支払いは、本人が指定するパブリックブロックチェーン上のウォレットアドレスに対して、直接送付する方法で行われる。
暗号資産(仮想通貨)に馴染みのあるエンジニア層にとって、利便性の高い選択肢となる。
同社は制度の導入にあたり、関連する法令に基づいた社内外の制度整備を前提条件としている。労働法や資金決済法などの法令遵守を踏まえた上で、適切な運用を行う方針を明示している。
従業員の保護を重視しつつ、新しい技術を柔軟に取り入れる姿勢がうかがえる。希望制を採用し、受け取り割合も自由に選択できる点は、多様な働き方を支援する仕組みと言える。
JPYC導入の背景とエンジニアへのメリット
報酬の支払いに使用されるJPYCは、日本円と1対1で価値が連動する日本円建てステーブルコインだ。資金決済法上の電子決済手段として扱われ、パブリックブロックチェーン上で稼働する。
従来の金融機関を介さないため、安価な手数料と高速な送金を実現している。
日本円と価値が連動していることから、給与や報酬を受け取る際の価格変動リスクを最小限に抑えることができる。エンジニアのミカタは、エンジニアの年収向上や高還元を掲げるスタートアップ企業だ。
これまでも単価連動型の評価制度などを導入し、エンジニアの待遇改善に積極的に取り組んできた。
今回の制度開始も、その事業ポリシーの延長線上に位置付けられる。報酬の受け取り方法にブロックチェーンを活用した新しい選択肢を加えることで、エンジニアの利便性向上を図る狙いがある。
既存の銀行振込に縛られない柔軟な報酬設計は、優秀な人材を惹きつける要因にもなる。
国内では日本円建てステーブルコインの法制度整備が進んでおり、企業が事業上の決済に利用しやすい環境が整いつつある。
法定通貨と同等の扱いが可能になる中で、企業側の導入ハードルも下がっている。今後も同様の支払い制度を導入する企業が増加していく可能性がある。
ポイント
- エンジニアのミカタが、希望者向けに給与や報酬をステーブルコイン「JPYC」で支払う制度を開始した。
- 支払いはパブリックブロックチェーン上のウォレットへ直接送付され、一部または全額を選択できる。
- JPYCは日本円と価値が連動しており、価格変動リスクを抑えつつ高速で安価な送金が可能となる。
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