イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は5日、同ネットワークのスケーリング戦略について、大幅な見直しを行う考えを明らかにした。
ブテリン氏は、これまで中核とされてきたロールアップ中心のロードマップが、現在の状況に必ずしも適合しなくなっていると指摘。
類似した機能を持つコピー&ペースト型のEVMチェーンや、汎用的なロールアップが乱立する現状について、「行き止まりに近い」との認識を示した。
その背景として、イーサリアムのベースレイヤーであるレイヤー1(L1)が当初の想定以上にスケーリング性能を向上させている点を挙げた。
これにより、スケーリングのみを目的とした汎用的なレイヤー2(L2)の必要性が相対的に低下しているとの見方を示している。
イーサリアムL1の想定外の進化とコピー&ペースト型の限界
ブテリン氏の戦略転換の背景には、ベースレイヤーであるL1の技術的進歩がある。
当初の想定を上回るペースでL1のスケーリング性能が向上しており、BlobsやPeerDAS、ネイティブロールアッププリコンパイルといった新技術の導入により、ネットワークの処理能力は飛躍的に高まった。
同氏によれば、L1の手数料は低水準で安定しており、2026年中にはガスリミットの大幅な引き上げも見込まれている。
L1自体が直接的なスケーリングを実現しつつある今、単にイーサリアムをブランド化した断片として切り売りするような、スケーリングのみを目的とした汎用L2の必要性は相対的に低下しているという。
一方で、L2ネットワークの分散化プロセスは、L1の進化スピードに比べて遅れをとっている。
ブテリン氏は、多くのプロジェクトが依然として初期段階に留まっている現状を指摘し、L1のステート構造を維持しつつ、より効率的な形式を導入するハイブリッドなアプローチへの転換が必要だと説いた。
生き残りの鍵は特化型への移行
ブテリン氏はL2開発者に対し、L1が短期的には提供できない、特化した機能の開拓に注力するよう強く促している。
具体的には、プライバシー保護に特化した仮想マシン、ゲームやAI計算に最適化されたアプリケーション固有の効率性、そしてミリ秒単位の超低遅延シーケンシングなどが挙げられる。
これらは、AIエージェント仮想通貨など、次世代のトレンドを支える基盤技術となる可能性を秘めている。
市場分析もこの見解を裏付けるように、厳しい未来を予測している。
一部のレポートでは、独自の価値提案を持たない多くのL2プロジェクトが、2026年中に淘汰される可能性を示唆。
ブテリン氏もまた、L2がイーサリアム資産を使用する以上、一定レベルの分散化は必須であり、それを満たさないプロジェクトは独立したL1として扱われるべきだと強調した。
類似プロジェクトが乱立する過渡期において、投資家は仮想通貨ランキングなどを参考に、慎重にプロジェクトを選定することが求められる。
ポイント
- ヴィタリック氏は汎用的なEVMチェーンの乱立を「行き止まり」と批判した。
- イーサリアムL1の処理能力向上により、スケーリング戦略の転換が必要だと主張した。
- L2プロジェクトに対し、プライバシーや特定用途など独自機能への特化を求めた。
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