米国の大手銀行シティグループは28日、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースとの提携を広げ、法人顧客がステーブルコインでの支払いを受け取れる仕組みを整えた。
加盟店向けの「Spring by Citi」にコインベースの決済基盤をつなぎ、受け取った分を法定通貨へ自動で変換する。両社は世界で1億5000万人を超えるステーブルコイン保有者が支払い手になると示した。
加盟店はステーブルコインで受け取り、入金は法定通貨
シティグループの公式プレスリリースによると、今回の中身は2本立てになる。1つはSpring by Citiを通じた加盟店側のステーブルコイン受け入れで、決済レールはコインベースが担い、最終的な資金決済はシティが銀行として引き受ける。
対象となるステーブルコインを押さえると、加盟店が何を受け取って何に変換するのかが見えてくる。裏付け資産や発行体によって性質が変わるため、受け入れ側は対応銘柄の確認が要る。
もう1つはコインベース側の口座機能となる。シティのVirtual Account Walletをバンキング・アズ・ア・サービスとして採用し、銀行口座に近い「Coinbase Virtual Accounts」を提供する。入金された法定通貨は自動でステーブルコインへ変わる。
加盟店から見ると、買い手がステーブルコインで払っても入金は法定通貨で届く。値動きや保管の負担を抱えずに受け入れ口を増やせる。これまで個人がクレジットカードで仮想通貨を買う経路が広がってきたが、今回は逆方向の流れが法人側に開く。
1日6兆ドルを動かす銀行網に接続
シティは1日あたり約6兆ドルの資金を動かしている。大手EC企業の9割と、世界の大手フィンテック20社のうち15社を顧客に持つと同社は示した。
シティのアシシュ・バジャジ北米サービス部門責任者は、従来型とデジタル型の双方をまたいで動く次世代の決済インフラを築くことが目標だと述べた。既存の銀行網と暗号資産の決済基盤をつなぐ位置づけになる。
コインベースのブレット・テジポール機関投資家向け部門責任者は、自社の顧客に銀行水準の法定通貨インフラを、シティの法人顧客に摩擦の少ないステーブルコインの受け入れを渡す形になると説明した。両社は米国から先に展開し、追加機能は今後数カ月で示すとしている。
両社は2025年10月にも提携を公表しており、そのときは法定通貨と暗号資産の間の資金移動が中心だった。今回はその延長線上で、受け取りと口座の両側へ広げた。
ポイント
- シティが加盟店のステーブルコイン受け入れを9月28日に整えた。
- 支払い手は世界で1億5000万人を超えるステーブルコイン保有者。
- シティは1日約6兆ドルを動かし、大手ECの9割を顧客に持つ。
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