ハードウェアウォレット製造大手のTrezorは13日、提携する配送業者のシステムが侵害され、顧客データが流出したと明かした。

配送業者のシステム侵害と被害の全容

今回のデータ流出は、同社の物流を担うShipMonk(シップモンク)のシステムに対する不正アクセスが原因だ。影響を受けたのは、5月10日から8月8日までの間に特定の7カ国へ発送された新規顧客の注文データとなる。

対象となる国は米国や英国、スウェーデン、コロンビア、ブラジル、イタリア、ポルトガルに及ぶ。

流出したデータの内容は、顧客によって異なる。11,742人の顧客については、氏名や配送先住所、電話番号、メールアドレスが完全に流出した。

さらに1,947人の顧客は、氏名や都市名などが部分的に漏洩している。影響を受けた顧客は合計13,689人に上ることが明らかになった。

同社は事態を重く受け止め、対象となるすべての顧客に対してメールで個別に通知を行っている。通知を受け取っていない顧客については、今回のデータ侵害の影響を受けていないという。

資産の安全性と今後の対策

トレザーは、自社のコアシステムやウォレット自体のセキュリティは全く侵害されていないと強調している。暗号資産(仮想通貨)の秘密鍵やウォレットのバックアップなど、重要なデータには一切影響がない。

今回の被害が一定規模に収まった背景には、同社の厳格なデータ管理方針がある。同社は配送業者に対し、配達から90日後に注文データを削除または匿名化するよう義務付けていた。

この規定により、過去の膨大な顧客データが流出する事態を未然に防ぐことができた。

一方で同社は、流出した連絡先を悪用したフィッシング詐欺への警戒を強く呼びかけている。サポート担当者を装い、シードフレーズなどの機密情報を聞き出そうとする手口が増加する可能性が高い。

今後は匿名配送など、よりプライバシーに配慮した選択肢の導入を急ぐ方針だ。

ポイント

  • トレザーの配送業者でシステム侵害が発生し、1万3000人以上の顧客データが流出した。
  • 流出したのは氏名や住所などの情報であり、仮想通貨の資産や秘密鍵に影響はない。
  • 同社はフィッシング詐欺への警戒を呼びかけ、匿名配送などの導入を急ぐ方針だ。

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浅川 智
浅川 智
暗号資産ジャーナリスト

99bitcoinsの暗号資産(仮想通貨)ライターとして活動。FX取引の経験を活... 続きを読む

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