イーサリアム(ETH)の開発者らは4日、イーサリアムのステーキング報酬を段階的に削減する新たな提案を提出した。
ステーキング集中を防ぐ新提案
イーサリアムの開発者らが提出した草案は、「段階的発行バーン」と呼ばれる仕組みだ。
ステーキングの割合がイーサリアム供給量の50%に達した時点で、ステーキングの純利回りがゼロになるよう設計されている。
具体的には、バリデーターが受け取る報酬の一部をバーン(焼却)することで、ステーキングの過度な増加を抑える狙いがある。
現在のイーサリアムのステーキング率は、すでに供給量の3分の1を超えて上昇を続けている。開発者らは、現在の仕組みのままではステーキングへのインセンティブが働き続け、一部の事業者に権限が集中するリスクがあると指摘している。
この提案により、市場原理に基づいた適切なステーキング率を維持し、ネットワークの安全性を高めることを目指している。
この変更は、承認された場合、18カ月の移行期間を経て段階的に導入される予定だ。導入の約6カ月前にはフォークの準備期間が設けられるという。
ただし、実行層の報酬であるチップなどは引き続きバリデーターの収入として維持される。あくまでコンセンサス層での発行量を調整する最小限の変更にとどめられている。
DeFi市場や機関投資家への影響を懸念
一方で、この提案に対しては懸念の声も上がっている。
大手DeFiサービスを手がけるAaveのスタニ・クレチョフ創設者は、ステーキング利回りが予測しにくくなると指摘した。安定した収益を求める機関投資家にとって、イーサリアムの魅力が低下する可能性があると警告している。
さらに同氏は、利回りが低下すれば、DeFiにおけるイーサリアムの需要が弱まると主張している。
ステーキング利回りを得るためにイーサリアムを借り入れる動機が薄れ、他の利回り資産や競合するブロックチェーンネットワークへ資金が流出する恐れがあるという。
需要の減少は、エコシステム全体に影響を及ぼす可能性がある。
また、提案のタイミングについても議論を呼んでいる。草案がフォーク決定期限のわずか48時間前に提出されたため、十分な審査期間が確保されていないとの批判が出ている。
これに対し賛成派は、この問題は長年議論されてきたものであり、対応を遅らせるべきではないと反論している。
現在はまだ草案の段階であり、今後のアップデートに組み込まれるかは未定だ。コミュニティ内での議論の行方が注目されている。
ポイント
- イーサリアム開発者がステーキング報酬を段階的に削減する草案を提出した。
- ステーキング率が供給量の50%に達すると、利回りがゼロになる仕組みを提案している。
- 機関投資家への魅力低下やDeFi市場からの資金流出を懸念する声が上がっている。
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