英国政府は1日、経済協力開発機構(OECD)の枠組みに基づく新たな暗号資産(仮想通貨)税務報告規則を施行した。
この制度は「暗号資産報告枠組み(CARF)」と呼ばれ、英国を含む48カ国が同日から一斉に運用を開始している。
国境を越えたデジタル資産取引の透明性を高め、脱税防止を目的とした国際基準だ。
英国政府はこれまで、デジタル資産分野での国際的ハブを目指してきた。
サービス提供者に課される厳格な報告義務
今回の措置は、市場の健全性を維持しながら税収を確保するための重要なステップと位置づけられている。
財務省は、公正な税制を支える基盤になると強調した。
新たな規則の下、暗号資産サービスプロバイダーには広範な情報収集義務が課される。
仮想通貨取引所などは、英国居住者の全ユーザーについて税務関連データを取得しなければならない。
報告対象には、氏名や生年月日、住所に加え、納税者番号が含まれる。
これは個人ユーザーだけでなく、法人利用者にも適用される。
事業者は年次でデューデリジェンスを実施し、情報の正確性を確認する必要がある。
英国歳入関税庁(HMRC)は、この制度によって納税者が正確に申告できる環境が整うと説明している。
適切な申告のためには、日常的に仮想通貨税金計算を行っておくことが重要だ。
報告対象となる取引も多岐にわたる。暗号資産と法定通貨の交換に加え、異なる暗号資産同士の交換も記録される。
また、5万ドルを超える支払いについては、より詳細な情報開示が求められる。
国際的な情報共有と今後の展望
収集された税務データは、2027年から各国の税務当局間で共有される予定だ。
この枠組みには日本やカナダ、EU諸国も参加しており、海外取引所を利用した租税回避は一段と困難になるとみられる。
仮想通貨脱税への対策として、国際連携が本格化している。
自己管理型ウォレットへの送金も監視対象に含まれるため、資金移動の透明性はさらに高まる。
今後は仮想通貨ウォレットの管理においても、より厳格なルール遵守が求められるだろう。
HMRCは、不正確な報告やコンプライアンス違反に対して罰則を設けており、ユーザー1人あたり最大で約6万3000円の罰金が科される可能性がある。
英国財務省の試算によると、この制度により2030年4月までに約655億円の追加税収が見込まれている。
当局は、この税収が公共サービスの充実に充てられると説明している。
ポイント
- 英国など48カ国がOECDの新基準に基づく仮想通貨の税務報告規則を施行した。
- サービス提供者はユーザーの個人情報や取引履歴の収集と報告が義務付けられる。
- 2027年から各国税務当局間での情報交換が始まり、脱税防止と透明性向上を図る。
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