英大手金融機関スタンダード・チャータード銀行は17日、イーサリアム 引き下げた。
の2025年末までの価格予想を10,000ドルから4,000ドルへこの価格予想の引き下げは、レイヤー2ネットワークへの収益流出が主な要因として挙げられている。
同銀行のジェフリー・ケンドリック氏は、過去数年間にイーサリアムに行われた変更に対して、「おそらく必要だったが、価値を破壊するものだった。」と述べた。
レイヤー2ネットワークへの収益流出
この下方修正の主要因は、レイヤー2ネットワークがイーサリアムの収益に与える影響だ。
レイヤー2は、イーサリアムのトランザクションをより効率的に処理できるものの、メインネットと並行して動作しユーザーと収益をイーサリアム(レイヤー1)から引き離している。
実際、ユニスワップやイーサリアムネームサービス(ENS)などの主要プロジェクトは、イーサリアムのメインネットから離れ、レイヤー2や独自ブロックチェーンに移行する動きを見せている。
ケンドリック氏は、「Base(コインベース開発のレイヤー2)がイーサリアムだけで時価総額500億ドルを奪ったと推定している。」と指摘した。
ETH価格復活に向けて
イーサリアムは、分散型金融(DeFi)資産にロックされた総価値の50%以上、ステーブルコインの57%、トークン化された資産の80%を占めるなど、いくつかの指標で依然として優位に立っている。しかしその優位性は、最盛期に比べ衰えを見せている。
そのような中でETHが勢いを取り戻すには、80%の市場シェアを占めるトークン化された現実資産(RWA)の継続的な拡大や、2025年のPectraなどの今後の技術アップグレードなどが重要になるとケンドリック氏は述べた。
また、イーサリアム財団が、イーサリアムのインフラストラクチャから利益を得ているレイヤー2ネットワークに課税するなどの経済改革を実施することが解決策の1つとして考えられるという。
さらに同氏は、イーサリアムは時間とともに値上がりすると予想しており、2028年から2029年までに価格は7,500ドルになると予測。
ただし、イーサリアムの現状が変わらない限り、イーサリアムはビットコイン(BTC)に遅れをとり続けるという。
ビットコインに対する見方との対比
イーサリアムに対する見通しを下げる一方で、スタンダード・チャータードはビットコインについてはより楽観的な見方を維持している。
同銀行は以前、ビットコインが50万ドルに達する可能性があると予測しており、機関投資家の関心やセンチメントの変化がその原動力になると見ている。
イーサリアムの今後については、規制の明確化やイーサリアム現物ETFへの関心の復活が価格回復の鍵となる可能性がある。しかし、レイヤー2ネットワークやソラナ(SOL)のような競合ブロックチェーンからの圧力は当面続くと見られている。
ポイント
- スタンダード・チャータードがETHの価格予想を1万ドルから4千ドルに下方修正
- レイヤー2ネットワークがETHの収益を奪っていることが要因
- ETH回復にはRWAセクターの継続拡大や今後のアップグレードなどが重要になると指摘
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