Web3.0の世界は近年、フィッシング詐欺や不正アクセス(エクスプロイト)によって、ユーザー資金が盗難される事件が発生してきている。そのため、自己管理、すなわちセルフカストディが資産保護の鍵となり、信頼性の高い暗号資産(仮想通貨)ウォレットの選択が不可欠だ。
この記事では、初心者から経験者までを対象に、安全性の高い主要なハードウェアウォレットおよびソフトウェアウォレットを分析する。
仮想通貨ウォレットのセキュリティの重要性
仮想通貨ウォレットとは、仮想通貨そのものではなく、秘密鍵と公開鍵を管理するためのツールである。
公開鍵は取引の受け取りアドレスとして機能し、秘密鍵は資産へのアクセスと送付を許可する。
ウォレットには、第三者が鍵を管理するカストディアル型と、ユーザー自身が管理するノンカストディアル型(自己管理型)がある。
セキュリティ強化策として、二要素認証(2FA)やマルチシグ(複数署名)機能も重要視されている。
2025年における最も安全な仮想通貨ウォレットの比較
ここでは、2025年時点で注目されるハードウェアウォレット(Ledger、Trezor、SafePal、Tangem)を解説する。
さらに、ソフトウェアウォレット(Coinbase Wallet、Zengo、Exodus)の主な違いも解説する。
Ledger(レジャー)
レジャーは、Nano S Plus、Nano Xなどのハードウェアウォレットで知られる。
ノンカストディアル型であり、セキュアエレメントチップと独自OS「BOLOS」を採用している。
PINコードとリカバリーフレーズによる保護、Ledger Live(レジャーライブ)との連携が特徴だ。
各モデルの詳細な特徴や価格は、最新情報を確認することが推奨される。
Trezor(トレゾール)ウォレット
トレゾールはハードウェアウォレットの草分け的存在で、トレゾール One、Model T、Safe 3などがラインナップされている。
オープンソースであることが特徴であり、オフラインでの鍵管理、PINコードやパスフレーズによる保護を提供する。
新しいモデルではセキュアエレメントも搭載されている。
SafePal(セーフパル)ウォレット
セーフパルは、エアギャップ(物理的に隔離された)型のS1とBluetooth接続のX1を提供している。
EAL(国際セキュリティ評価基準)5+認証のセキュアエレメントや自己破壊メカニズムなどを特徴とする。
接続性の違いが利便性とセキュリティのトレードオフを生む。
Tangem(タンジェム)ウォレット
タンジェムは、NFC(近距離無線通信)技術を用いたカード型のハードウェアウォレットで、シードフレーズ(復元用の単語群)がない「シードレス」方式を採用している。
EAL6+認証チップを搭載し、シンプルさと耐久性を追求している。
利用にはNFC対応スマートフォンが必要となる。
Coinbase Wallet(コインベースウォレット)
コインベースウォレットは、大手取引所コインベースが提供するノンカストディアル型のソフトウェアウォレットである。
デバイス上での鍵保管、生体認証、セキュアエンクレーブ技術、クラウドバックアップオプションなどが特徴だ。
利用は無料だが、ホットウォレット(オンライン接続されたウォレット)としてのリスクは存在する。
Zengo(ゼンゴ)ウォレット
ゼンゴは、MPC(マルチパーティ計算)技術を採用したモバイルウォレットで、シードフレーズを不要としている。
3要素認証(3FA)、Web3ファイアウォール(スマートコントラクト監視機能)、生体認証署名などがセキュリティ機能として挙げられる。
一部機能は有料プラン(ゼンゴ Pro)で提供され、その料金は変動する可能性がある。
Exodus(エグゾダス)ウォレット
エグゾダスは、デスクトップ、モバイル、ブラウザ拡張機能として利用可能なマルチ通貨対応のノンカストディアルソフトウェアウォレットである。
ローカルでの鍵保管、パスワードや生体認証による保護、トレゾールハードウェアウォレットとの連携機能を持つ。
一部はオープンソースではない点に注意が必要だ。
ウォレットを選ぶうえで重要なセキュリティ機能
ウォレットを選ぶうえで、ノンカストディアル性と鍵の暗号化が必須だ。
安全なリカバリー手段、PIN/生体認証、定期アップデートも欠かせない。
さらに、セキュアエレメント搭載、MFA、マルチシグ、エアギャップ機能、オープンソースであることなども、あると望ましい機能と言える。
仮想通貨ウォレットを安全に設定・使用する方法
ハードウェアウォレットは、信頼できる販売元から購入し、開封痕がないか確認後、初期設定を行う。
リカバリーフレーズは厳重に保管する。
ソフトウェアウォレットは公式サイトからダウンロードし、パスワード設定やリカバリーフレーズのバックアップを確実に行い、利用可能なセキュリティ設定を有効にする。
マーケティング情報だけでなく、独立したセキュリティ監査(EAL評価など)の結果、コミュニティでの評判、開発の透明性(オープンソースかどうか、アップデート頻度など)を考慮して、総合的に信頼性を評価することが重要である。
ウォレットを選ぶ判断基準
初心者や日常的な利用者にはゼンゴやコインベースウォレット、エグゾダスが良いだろう。
一方でセキュリティを最重視し長期保管を考えるならレジャー、トレゾール、セーフパルS1、タンジェムが適している可能性がある。
モバイル中心ならタンジェムやゼンゴ、高度な機能を求めるならトレゾールの上位モデルやLedger Stax(レジャースタックス)などが候補となるだろう。
注目のアルトコイン:SUBBD とは?
ここまで仮想通貨ウォレットを紹介してきたが、最近注目されているアルトコインも見逃せない。
新たなアルトコインとして注目されているのが、SUBBDである。
これはAI(人工知能)とブロックチェーン技術を融合させ、クリエイターエコノミーの革新を目指すプラットフォームだ。
デジタル・トークン、分散型技術、高度なワークフローを統合し、コンテンツ制作者の収益化支援とファンエンゲージメントの強化に焦点を当てている。
2025年4月時点では、プレセールでは22万1000ドル以上を調達し、トークン価格は0.055225ドル(約7.9円)で提供されている。
ブロックチェーンによる透明性の高い取引記録、トークンを利用した報酬システム、ガバナンスへの参加機会などが特徴であり、将来性が期待されている。
ポイント
- Web3時代では資産保護へセルフカストディが不可欠だ、攻撃増加が背景にある
- レジャーやトレゾール等のハード型とゼンゴやエグゾダス等ソフト型が主流
- SUBBDと呼ばれるアルトコインが注目されている
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