米大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースは2日、イーサリアム(ETH)ネットワーク上のERC-20トークンであるEthena(ENA)を資産上場ロードマップへの追加を発表した。
コインベースは今回の発表で、ENAのコントラクトアドレス(0x57e114B691Db790C35207b2e685D4A43181e6061)を明示し、取引開始には十分な流動性と技術的インフラの整備が必要であることを強調。
同社は正式な上場が確定するまでENAの入金はサポートされないとして、ユーザーに対し資金損失を避けるため早期の送金を控えるよう警告している。
取引量急増と市場の反応
ロードマップ追加の発表を受け、ENAの24時間取引量は91.7%急増し、2億5400万ドルに達した。6月4日時点でENAは0.34ドルで取引されており、発表前の週間13%下落からの反発を見せている。
発表期間中には4000万枚を超えるENAトークン(約1200万ドル相当)がアンロックされたが、価格は1%の下落にとどまり、売り圧力に対する予想外の耐性を示した。この動きは、コインベース上場への期待による新しい仮想通貨への高まりを反映している。
ENAは現在、ケベックコインドル(QCAD)と共にロードマップに掲載されているが、同社は候補リストが網羅的ではないことを明記している。上場の最終決定は、マーケットメーカーによるサポートと技術的要件の充足が条件となっている。
シンセティックドルプロトコルとしての技術革新
エセナは2024年初頭に立ち上げられたイーサリアム上の分散型金融(DeFi)プロトコルで、従来のステーブルコインとは異なるアプローチでドルペッグを維持している。
同プロトコルの中核であるUSDe(ユーエスディーイー)は、法定通貨準備金ではなく、暗号資産担保とデルタヘッジング戦略を組み合わせた「シンセティックドル」として設計されている。
この革新的な仕組みでは、利用者がイーサリアムやステークされたETH(stETH)を担保として預け入れると、プロトコルは同等価値のショートポジションをデリバティブ市場で開設する。
ETH価格が下落した場合、ショートポジションからの利益が担保の損失を相殺し、USDe価格の安定性を保つ。この戦略により年利30%を超える高利回りを提供することもある。
急成長するDeFiエコシステムでの地位
エセナプロトコルは2024年の立ち上げ以来、約60億ドルの資金を集める急成長を遂げている。USDe時価総額は47億ドルに達し、世界第4位のステーブルコインとして位置づけられている。
アナリストは、強気のテクニカルパターンが形成されれば、ENAが0.60ドルまで上昇する可能性があると予測。現在の抵抗線は0.4829ドルに設定されており、この水準を突破できれば0.73ドルから0.80ドルの価格帯が次の目標となる。
エセナは最近、ブラックロックとSecuritizeのトークン化マネーマーケットファンドBUIDLに裏付けられた新しいステーブルコインUSDtbの展開も発表しており、市場状況に応じたリスク軽減策を強化している。
ポイント
- コインベースがEthena(ENA)を上場ロードマップに追加、条件付きで取引開始を検討
- 発表後ENAの価格は一時8.6%上昇し、取引量は91.7%増加
- 流動性と技術的要件を満たすまで取引開始時期は未定、入金は制限
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