暗号資産(仮想通貨)市場は1日、ビットコインとイーサリアムを中心に大幅に下落した。
1700億円超のポジションが強制清算
ビットコイン(BTC)は24時間で5.8%下落し、8万4000ドルを割った。イーサリアム(ETH)も約2733ドルで取引され、過去1ヶ月で約28%の下落を記録している。
この急落により、市場全体で11億ドル以上のレバレッジポジションがわずか24時間で清算された。30万人以上のトレーダーが市場から強制的に退場させられている。
市場心理を示す「恐怖・強欲指数」は前月の59から20へと急低下し、「恐怖」の段階にある。10月は2018年以来初めてマイナスで終了しており、調整局面が続いている。
主要なアルトコインも軒並み下落した。ソラナ(SOL)は11%、バイナンスコイン(BNB)は8.3%値を下げている。
カルダノ(ADA)やリップル(XRP)も同様に売り圧力を受けた。市場全体の時価総額は1日で4%減少し、約1400億ドル(約21兆7000億円)が失われた。
マクロ経済の逆風と機関投資家の動向
今回の下落は、連邦準備制度理事会(FRB)の金利見通しが不透明であることや、ドル高の進行が主な要因だ。リスク資産から資金が流出しており、国債利回りの上昇も仮想通貨への流入を阻害している。
テクニカル面では、価格が重要な支持線を割り込んだことで、強気のレバレッジポジションが一気に解消された。これが大規模な清算イベントを引き起こし、売りが売りを呼ぶ展開となった。
一方で、市場参加者の動きには乖離が見られる。個人投資家が保有を減らす中、機関投資家や大口保有者(クジラ)は価格下落局面で買い増しを行っている。
データによると、クジラのウォレットは10月に価格が下落する中で、164万ETH(約9920億円相当)を追加した。これは、大口投資家が市場からの撤退ではなく、資産の入れ替えを行っていることを示唆する。
ファンダメンタルズの面でも、ネットワーク活動や開発者の関与に崩壊の兆しはない。DeFi(分散型金融)の収益は依然として強く、ステーブルコインの利用も活発だ。
今後の市場見通しと技術的進展
アナリストは、今回の下落を「仮想通貨の冬」の始まりではなく、大規模な利益確定によるリセットと捉えている。イーサリアムのテクニカル指標は売られすぎの兆候を示しており、反発の余地がある。
BMNRのトム・リー会長は、市場はリセット後の整理局面にあると指摘した。同氏は、年末までにイーサリアムが7000ドルに向けて回復する可能性があると見ている。
12月3日にはイーサリアムの「Fusaka」ハードフォークが予定されている。これによりレイヤー2の手数料が最大95%削減される見込みで、市場回復のきっかけとなる可能性がある。
ポイント
- ビットコインとイーサリアムが急落し、市場全体で約1700億円の強制清算が発生した。
- 金利見通しの不透明感やドル高などのマクロ経済要因が、リスク資産への逆風となっている。
- 機関投資家は下落局面で買い増しを続けており、次期アップグレードへの期待も残る。
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