スターテイル・グループの渡辺創太CEOは13日、信託銀行が裏付けとなる円建てステーブルコインJPYSC が数カ月以内にリリースされる見通しを明らかにした。
このプロジェクトは、スターテイル・グループとSBIホールディングスが共同で開発を進めている。発行体はSBI新生信託銀行が務め、日本の資金決済法における電子決済手段として扱われる。
日本初の信託銀行裏付けステーブルコイン
JPYSCは、日本で初めて信託銀行が裏付けとなる日本円ステーブルコインだ。
主に機関投資家や国境を越えた決済での利用を想定して設計されている。
スターテイル・グループが技術開発を主導し、SBI VCトレードが流通やユーザーへのアクセスを提供する体制となっている。
公式資料によると、JPYSCは複数のブロックチェーンをまたいで利用できるデジタル円として機能する。パブリックチェーンだけでなく、企業向けのプライベートネットワークとも相互運用が可能だ。
分散型金融(DeFi)プロトコルやトークン化された資産の決済インフラとしての役割が期待されている。
プロジェクト自体は2026年2月下旬に正式に発表された。今回の渡辺氏の発言から、スケジュールが順調に進んでいることがうかがえる。
規制当局の承認を前提としつつ、ローンチに向けた最終段階に入っているとみられる。
We are going to ship @JPYStableCoin, the first bank-backed JPY stablecoin, in a few months. What I want to achieve is to leverage the lowest-cost funding currency on earth — JPY — to invest in the highest-growth assets, i.e., US stocks, executing fully onchain. It will be big.
— Sota Watanabe (@WatanabeSota) May 12, 2026
円キャリートレードをオンチェーンで実現
今回の発表で特に注目を集めたのは、低コストの円資金を活用した新たな資産運用構想だ。
日本の超低金利環境を背景に、円は世界で最も安価に調達できる通貨の一つとされている。渡辺氏はこの利点を活かし、調達した円をJPYSCに変換するプロセスを自動化するアイデアを披露した。
変換されたJPYSCは、オンチェーンの仕組みを通じて米国株などの高成長資産の購入に充てられる。これは、低金利の通貨で資金を借りて高金利の資産で運用する伝統的な「キャリートレード」を応用したものだ。
渡辺氏は以前から、JPYSCがAIエージェントによる支払いやプログラム可能な金融取引の基盤になる可能性を語っていた。
この新たなモデルは、将来的なグローバル資産配分のひな形になる可能性がある。
一方で、国境を越えた証券取引のルールや投資家保護、為替リスクの管理など、規制面での課題も残されている。市場関係者は、これらの課題にどのように対応していくのか、今後の動向を注視している。
ポイント
- スターテイル・グループが円建てステーブルコイン「JPYSC」を数カ月以内にリリース予定。
- JPYSCは日本初の信託銀行裏付けステーブルコインで、SBI新生信託銀行が発行体を務める。
- 低コストの円資金を活用し、オンチェーンで米国株などの高成長資産を運用する構想も発表された。
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