米金融大手JPモルガン・チェースはこのほど、独自のデジタル預金トークンJPMコイン(JPMD)をパブリックブロックチェーンであるBaseへ移行したと明かした。

従来は内部の許可型ブロックチェーンKinexysを基盤としていたが、今後はコインベースが開発したイーサリアム(ETH)のレイヤー2ネットワークであるBaseを利用する。

今回の移行により、銀行の裏付け資産を持つ預金トークンがパブリックブロックチェーン上で本格的に展開される初の事例となった。

JPMコインは機関投資家向けに設計され、実際の米ドル預金をトークン化したもので、直接的な請求権を伴い、利子や連邦預金保険の対象となる可能性もある。

利用は承認を受けた機関投資家に限定され、発行とコンプライアンスはJPモルガンが管理しており、移行プロセスは6月の実証実験から12月にかけて完了した。

機関投資家の需要に応えパブリックチェーンへ

JPモルガンのデジタル預金トークン「JPMコイン」のパブリックブロックチェーン移行は、機関投資家からの強い需要が主な要因だった。

顧客は、パブリックチェーン上で直接支払いと担保管理を行う仕組みを求めており、従来は現金同等物の選択肢がステーブルコインに限られていたことが課題となっていた。

既存の銀行送金には締め切り時間や処理の遅れがある一方、ステーブルコインにはカウンターパーティリスクが存在し、多くの金融機関が使用に慎重だったという。

JPモルガンは毎日約10兆ドルの決済を処理しており、幹部は大量取引を支えるにはプライベートブロックチェーンよりもパブリックネットワークが適していると判断し、今回の移行を実施した。

今回採用されたBaseネットワークは、イーサリアムレベルのセキュリティを維持しつつ、取引コストを大幅に低減できることが利点とされる。

高速決済とリスク低減を実現

JPMコインは、Baseネットワーク上でオンチェーンによる担保管理や証拠金支払いに活用されている。

国境を越えた送金の高速化も期待され、多くのアセットマネージャーやブローカーディーラーは、担保をコインベースに保管した上で取引を行っている。

Baseの開発者によると、同ネットワークは24時間365日、1秒未満で決済を完了でき、これによりJPモルガンの機関投資家間の送金はほぼ無料かつ即時で行えるという。

銀行が裏付けとなるJPMコインは、民間発行のステーブルコインと比較してカウンターパーティリスクを低減でき、JPモルガンの預金に対する直接的な請求権を表すことから安全性が高い。

市場関係者は、この動きが他の大手金融機関の参入を促し、仮想通貨投資の信頼性向上や主要銘柄の価格安定にも寄与すると見込んでいる。

ポイント

  • JPモルガンが預金トークン「JPMコイン」をコインベースのBaseへ移行
  • 銀行預金に裏付けられたトークンのパブリックチェーン展開は初となる
  • 機関投資家の需要に応え、低コストかつ即時の決済と担保管理を実現

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浅川 智
浅川 智
暗号資産ジャーナリスト

99bitcoinsの暗号資産(仮想通貨)ライターとして活動。FX取引の経験を活... 続きを読む

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