東証プライム上場の会計システム大手TKCは9日、財務会計ソフトのFXクラウドシリーズで、暗号資産(仮想通貨)損益計算サービスのクリプトリンクとのAPI連携を始めた。
クリプトリンクで作った暗号資産取引の仕訳データを、ファイルの出力や取り込みを経ずに会計ソフトへ直接送れるようになる。暗号資産を持つ中小企業や個人事業主、その経理を担う会計事務所の決算や申告の作業を減らす狙いがある。
FX2クラウドなど4製品で仕訳を直接取り込み
TKCの発表によると、連携の対象はFX2クラウド、FX2クラウド(個人用)、FXまいスタークラウド、FXまいスタークラウド(個人用)の4製品となる。やり取りするのは暗号資産取引に関する仕訳データで、転記の手間を省き、入力ミスを防ぐ。
クリプトリンクを運営するクリプトリンク株式会社(さいたま市)も同日、暗号資産の損益計算サービスとFX2クラウドのAPI連携は国内初になると発表した。9月8日時点の同社の調べにもとづく。
TKCは、連携実績のある外部の業務システムとして41のシステムを掲載している。証憑の保管から日々の仕訳、決算書と税務申告の作成、電子申告までを一続きで処理する仕組みづくりを進めており、連携先は今後も広げる方針を示した。
複数の取引所やDeFiの記録を帳簿へ
クリプトリンクは2017年創業の損益計算サービスで、累計1000社以上の法人や会計事務所が導入した。個人の利用者も数万人規模にのぼり、料金は月額330円(税込)から設定されている。国内外の主要な取引所に加え、DeFiやNFT、複数のブロックチェーンの取引にも対応する。
同社は連携の背景として、暗号資産を財務戦略の一環で保有する企業が増えている点を挙げた。一方で、複数の取引所やウォレットの履歴を集めて整理し、取引内容に応じた仕訳を作る作業は負担が大きい。月次決算や期末の評価、仮想通貨の確定申告に向けたデータ整理が課題になっていたと説明した。
個人事業主向けのFX2クラウド(個人用)も連携の対象に入る。仮想通貨にかかる税金は取引ごとの損益を積み上げて計算するため、取引所をまたぐほど記録の突き合わせが増える。
ポイント
- TKCの会計ソフト4製品が暗号資産の仕訳をAPIで取り込む。
- クリプトリンクは累計1000社以上の法人などが導入している。
- TKCは連携実績のある業務システムとして41件を掲載している。
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