米国のビットコイン採掘企業クリーンスパークは29日、人工知能(AI)インフラ事業への本格参入を発表した。同社は10月にビットコイン売却で得た資金を活用し、テキサス州に大規模なAI専用データセンターの建設用地を確保した。
ビットコイン売却で6490万ドルを調達
2025年10月に589.88ビットコイン(BTC)を売却し、6490万ドル(約10億円)の資金を調達した。平均売却価格は1ビットコインあたり11万57ドル(約1696万円)だった。同社はこの資金を「非希釈的資本」と位置づけ、外部資金調達に頼らない戦略的な事業拡大を実現した。
同月、クリーンスパークは612ビットコインを採掘し、保有総数は1万3033ビットコインに達した。ただし、このうち5400ビットコイン以上は担保や債権として活用されている。同社のマット・シュルツ最高経営責任者(CEO)は「これらのマイルストーンは、我々が単に成長について語っているのではなく、実際に実行していることを示している」と述べた。
テキサス州に271エーカーの拠点を確保
調達した資金は、テキサス州ヒューストン近郊の271エーカー(約110万平方メートル)の土地取得と、285メガワットの長期電力契約の確保に充てられた。
この電力容量は、AI専用データセンターの運営に必要な大規模なエネルギー需要に対応するものだ。テキサス州は既存のAI対応インフラを備えており、先端コンピューティング施設の効率的な開発が可能な立地として選ばれた。
新設されるAIデータセンターは2027年後半の稼働開始を予定している。
クリーンスパークは事業拡大を主導するため、業界ベテランのジェフリー・トーマス氏を採用し、インフラ支援のためサブマー社との戦略的提携も発表した。シュルツCEOは「ビットコインは引き続き事業の中核だが、次世代デジタル技術のためのインフラ構築にも同等に注力している」と強調した。
採掘企業の事業多角化が加速
クリーンスパークの戦略転換は、ビットコイン採掘企業が暗号資産(仮想通貨)事業を超えた価値創造を模索する業界動向を反映している。AI演算処理の需要が急増する中、大規模なエネルギー集約型業務の運営ノウハウを持つ採掘企業にとって、AIデータセンター事業は自然な拡大領域となっている。
同社が保有する多額のビットコイン資産は、外部資金に頼らない戦略的な事業転換を可能にした。
ビットコイン採掘市場の競争激化も、確立された企業が隣接する高成長市場へ多角化する要因となっている。
今回の拡大は持続可能なビットコイン採掘事業から、仮想通貨採掘とAIインフラサービスを両立する二本柱のビジネスモデルへの大きな進化を意味する。こうした企業の多角化はビットコイン関連株の評価にも影響を与えるだろう。
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