SBIホールディングス傘下の暗号資産(仮想通貨)取引所、SBIVCトレードは2月27日、カントンコイン(CC)の取引を3月25日から開始すると発表した。

国内の仮想通貨取引所によるカントンコインの上場は初めてとなる。

金融機関向けブロックチェーンのネイティブトークン

カントンコインは、金融機関や機関投資家向けに設計されたブロックチェーン基盤「カントンネットワーク」のネイティブユーティリティトークンだ。

同ネットワークはプライバシーと規制への準拠を重視した設計が特徴で、ゴールドマン・サックス、HSBC、BNPパリバ、ドイツ取引所グループ、マイクロソフトといった世界的な大手金融機関が参加している。

カントンネットワークは2025年以降、トークン化証券やレポ取引、担保管理、デジタル債券などの分野で概念実証および実運用を進めてきた。

金融市場インフラにおける実用性が着実に広がっており、今回の上場はその流れを受けたものといえる。SBIVCトレードのカントンコイン取扱開始後、同取引所が扱う仮想通貨とステーブルコインの合計は40銘柄となる。

SBIグループの役割と今後の展望

SBIグループにとって、カントンネットワークとの関係は深い。

SBIグループの中核会社であるSBIデジタルアセットホールディングス(SBIDAH)は同ネットワークの創設メンバーであり、SBIはネットワークの信頼性と相互運用性の確保を担う「スーパーバリデーター」として機能している。

取引開始当初はセールスデスクサービスを通じた取り扱いとなる。

新しい仮想通貨として採用されるカントンコインの発行モデルは、従来の仮想通貨とは一線を画す。創設者への大規模な「プレマイニング」が行われる銘柄とは異なり、カントンコインはネットワークへの参加と検証への貢献に基づいて発行される。

新規コインはネットワークの維持・運営に携わる参加者にのみ配布される仕組みで、ネットワークの実用性がトークンの価値を直接支える持続可能なエコシステムを形成している。手数料体系は企業利用を想定した安定的な設計となっている。

SBIVCトレードの近藤智彦CEOは、今回の上場が「国内の仮想通貨取引における新時代の幕開け」となる可能性があると述べ、仮想通貨業界全体への波及効果を期待するとコメントした。

同社は今後、カントンネットワークと国内金融機関との連携拡大も見込んでおり、今回の上場は機関投資家による本格的な採用に向けた第一歩と位置付けられている。

実物資産(RWA)のトークン化や、国際的な金融インフラと連携したデジタル金融エコシステムの構築に向けた取り組みが、今後さらに加速しそうだ。

ビットコインの可能性を拡張する新しい仮想通貨Bitcoin Hyperにも注目

機関投資家向けブロックチェーンの実用化が進む一方で、ビットコインそのものの機能を拡張しようとする動きも活発化している。

BitconHyper公式HP

その中で注目を集めているのが、ビットコインのレイヤー2スケーリングソリューションとして開発されたBitcoinHyper(HYPER)だ。

Bitcoin Hyperは、ソラナの仮想マシン(SVM)エンジンを活用し、ビットコインのトランザクション速度と利便性を大幅に向上させることを目指している。

ロールアップアーキテクチャを採用しており、ビットコインとBitcoin Hyperの間に直接ブリッジを設けることで、ビットコイン保有者はスマートコントラクトを通じてビットコインをロックし、ネットワーク上で使用できるラップドビットコインを発行できる仕組みになっている。

これにより、ビットコインが本来持たないDeFiやスマートコントラクト機能を活用できる環境が整う。

HYPERトークンはこのネットワークのネイティブ通貨として、取引手数料の支払い、ステーキング、ガバナンスへの参加に利用できる。

プレセールではすでに3,152万ドル以上の資金調達に成功しており、プレセール価格は1トークンあたり約0.0129ドルで提供された。また、X1モバイルアプリでは1日あたり350万人のアクティブユーザーを記録しており、コミュニティの広がりも着実に進んでいる。

市場アナリストの間では、BitcoinHyperの価格予測として2026年に平均0.12ドル、2030年には0.30ドルに達するとの見方がある一方、2025年末までに0.50ドルから1.00ドルに達する可能性を指摘する声もある。

プレセール価格からの上昇余地は10倍から100倍に及ぶとも試算されており、早期参加者にとって魅力的な投機機会として注目されている。

ビットコインのセキュリティとソラナの処理速度を組み合わせるというコンセプトは、ビットコインのスケーリング問題に対する現実的なアプローチとして評価されている。

GPUおよびASICフレンドリーなマイニングへの対応や、ハイパーデフレーショナリーなトークンバーン機構も、長期的な価値の維持を意識した設計といえる。

カントンコインが機関投資家向けの金融インフラとしてブロックチェーンの実用化を牽引するように、Bitcoin Hyperはビットコインエコシステムの拡張という観点から仮想通貨市場に新たな可能性をもたらすプロジェクトとして、今後の動向から目が離せない。

Bitcoin Hyperを見てみる

ポイント

  • SBIVCトレードは3月25日からカントンコイン(CC)の取引を開始する。国内暗号資産取引所では初の上場となる。
  • カントンコインは金融機関向けブロックチェーン「カントンネットワーク」のネイティブトークンで、ゴールドマン・サックスやHSBCなど大手金融機関が参加している。
  • SBIグループはカントンネットワークの創設メンバーであり、スーパーバリデーターとしてネットワークの信頼性確保を担っている。

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由利 匠
由利 匠
暗号資産ジャーナリスト

日本語版99Bitcoinsニュースライター。5年ほど仮想通貨メディアでニュース... 続きを読む

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