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ステーブルコイン大手のテザー社が保有する金が約140トンに達し、時価約240億ドルに上ることが明らかになった。
銀行や国家を除く民間保有としては世界最大級の規模で、オーストラリアやサウジアラビアの公的準備高を上回る水準に達している。
金価格の高騰と購入戦略
同社のパオロ・アルドイノCEOは、保有金の大半をスイスの厳重な保管庫で管理していると説明した。
米国債への依存を減らして利益を分散する戦略を掲げ、「金の中央銀行」のような役割を目指す意向を示した。
金価格は今週、史上初めて1オンスあたり5000ドルを突破。
世界的な地政学的緊張の高まりや貿易摩擦が、安全資産への需要を押し上げており、投資家は不確実性の増大を懸念して資金を金市場に移している。
市場関係者によると、テザー社は毎週1〜2トンのペースで金を購入しているという。
この積極的な買いが最近の金価格上昇の一因との見方もある。同社の購入量は、ポーランドを除くすべての中央銀行を上回るペースだという。
トランプ米大統領による関税の脅威やグリーンランド買収要求などが市場の不安定さを助長しており、金価格は記録的な高値を更新し続けている。
テザー社の保有金の価値も、この上昇相場で大きく膨らんだ。一部の投資家は、金と同様にビットコイン(BTC)も安全資産として注目している。
トレーディング体制の強化
テザー社は金の保有にとどまらず、積極的な取引体制の整備も進めている。
同社は英金融大手HSBCから2名のシニアトレーダーを採用し、JPモルガンなどの金融機関に対抗できる体制構築を目指しているという。
先物価格と現物価格の乖離を利用したアービトラージ(裁定取引)などの機会も狙う。
また、同社が発行する金裏付けトークン「XAUt」の価値も上昇しており、今年に入り時価総額は少なくとも7億ドル増加した。
これは、金に裏付けられたステーブルコインへの需要が高まっていることを示している。
一方で、S&Pグローバル・レーティングはテザー社発行のステーブルコインUSDTの評価を引き下げた。金やビットコインといった変動資産の保有リスクが懸念材料とされている。
ポイント
- ステーブルコイン発行大手テザー社の金保有量が約140トンに達し、国家や銀行以外で最大級の規模となった。
- 地政学的リスクによる金価格高騰を背景に、同社は毎週1〜2トンの金を購入している。
- 同社はHSBCからトレーダーを採用し、金の現物保有だけでなく積極的な取引も行う方針だ。
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