日本初の円連動ステーブルコインJPYC発行企業の岡部典孝CEOは12日、ステーブルコイン発行企業が数年内に日本国債の主要買い手となり、日銀の金融政策のコントロールに影響を与える可能性があると述べた。

JPYC CEO、小規模ドル支配の市場で円の地位維持を強調

日本のスタートアップ企業JPYCは10月27日、円連動ステーブルコインJPYCの発行を開始。現金やクレジットカードなど従来型決済を好む消費者が多い日本において、注目すべき動きとなった。

JPYCはこれまでに約1億4300万円分を発行し、口座保有者数は11月12日時点で4707人に達した。今後3年間で10兆円分の発行を目標としている。

JPYCの岡部典孝CEO氏は、世界のステーブルコイン市場における99%が米ドル連動である現状では、円の存在感を維持することが重要だと述べた。

「様々な資産がブロックチェーン上でリアルタイムに取引されているが、ドルが市場を支配しており、日本企業は追加のヘッジや取引コストを負担せざるを得ない」と指摘した。

JPYCは円に完全に換金可能で、国内預金と日本国債で裏付けられている。資金の80%を日本国債、20%を銀行預金に投資する計画だ。

ステーブルコイン発行企業が国債市場に影響与える可能性

岡部氏によれば、ステーブルコインの急速な成長により、発行企業は国債の主要買い手となり、日銀の存在感が減少する穴を埋める可能性があるという。

「日銀が国債購入を段階的に縮小する中、数年以内にステーブルコイン発行企業が最大の日本国債保有者となる可能性がある」と述べた

こうした発行企業の存在感の高まりは、ステーブルコインの供給と需要に左右される国債保有量のため、日銀の金融政策を制約する可能性があると指摘。

「当局は発行企業が購入する国債の期間をコントロールすることはできても、保有量を制御するのは困難だ」と語った。

日銀は依然として日本国債市場の約50%を保有しているが、長期にわたる大規模な金融緩和を段階的に終了させる一環として、昨年から国債購入を減速させている。

国内金融機関が保有を減らしたことにより、新政権の支出計画に伴う債券発行をどこが引き受けるかは不透明だ。

JPYCは主に短期国債を購入する予定だが、岡部氏は「将来的に長期国債の購入も検討できる」と述べ、国会議員や政府関係者から問い合わせを受けていることも明かした。

ドル連動ステーブルコインは、トランプ米大統領の支持を受けて急拡大している。日本の大手3行も、金融当局の後押しの下、ステーブルコインの共同発行を試験的に行う計画を発表している。

政策当局は、ステーブルコインが規制対象外の資金移動を促進し、商業銀行のグローバル決済上の役割を損なう可能性を警告している。

ポイント

  • 円連動ステーブルコインJPYCは、3年で10兆円発行を目指す。
  • 準備金を日本国債で運用することで、国債市場の主要プレーヤーになる可能性が示された。
  • この動きは、日本銀行の金融緩和縮小と相まって、日本の金融政策に影響を与える可能性がある。

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浅川 智
浅川 智
暗号資産ジャーナリスト

99bitcoinsの暗号資産(仮想通貨)ライターとして活動。FX取引の経験を活... 続きを読む

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