中国人民銀行(PBOC)は25日、暗号資産(仮想通貨)取引の全面禁止を改めて確認し、ステーブルコインのリスクにも警鐘を鳴らした。
同銀行は、最近開かれた規制当局間の会議で、21年9月に施行された仮想通貨取引やマイニング、関連金融サービスの禁止措置を再確認した。
仮想通貨が不正資金移動の手段となる可能性や、金融の安定性を損なうリスクを懸念し、中国居住者による海外取引所の利用や個人間取引も引き続き厳しく禁じている。これらの措置は、国内の金融秩序を守る狙いがある。
ステーブルコインへの警戒とデジタル人民元の推進
会議では、民間発行のステーブルコインが「新たなリスクの最前線」として名指しされた。通貨主権の弱体化や資本規制回避の手段となる可能性があるとして、警戒が強められている。
PBOCは、中央銀行のみがデジタル通貨を発行できるという立場を明確にし、民間ステーブルコインが国家の通貨政策に対する脅威であるとの認識を示した。
並行して、主権デジタル通貨であるデジタル人民元(e-CNY)の普及を推進しており、国内唯一の法定デジタル決済手段と位置づけ、金融政策の浸透力を確保する構えだ。
当局はまた、仮想通貨のボラティリティやマネーロンダリングとの関連が、中国の「金融安定を最優先とする」基本方針と相反すると強調。国家外貨管理局などとも連携し、規制の抜け穴を塞ぐ体制を強化している。
本土の厳格な規制と香港の独自の立ち位置
中国は本土での全面禁止措置を維持する一方、香港には異なるスタンスを取っている。
厳格なライセンス制度の下、機関投資家向け仮想通貨サービスが一部認められ、サンドボックスとしての機能が期待されている。
ただし、香港ではステーブルコインの取扱いは現行のライセンス制度に含まれておらず、商業活動としての運用は認められていない。
本土では監視体制が強化され、未登録の仮想通貨取引所27社が法執行措置の対象となった。さらに、個人間取引チャネルや決済アプリの利用も厳しく監視されている。
さらに、一部地域ではオフピーク時の水力発電を用いたビットコイン(BTC)のマイニングが再開されている兆しがあり、PBOCはこれを「2021年の指令違反」と警告。取り締まり強化の方針を示している。
ポイント
- 中国人民銀行が仮想通貨取引の禁止を再確認し、ステーブルコインのリスクを警告した。
- デジタル人民元の優位性を確保し、金融安定化と資本流出防止を目指す方針だ。
- 本土での禁止に対し、香港では規制下での仮想通貨サービスを容認する二重戦略をとる。
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