米国の証券規制当局である証券取引委員会の企業財務部は28日、暗号資産に関するFAQを更新し、トークンの買い戻しが証券に当たらない条件に中央主体の有無を加えた。
9月25日に公表した内容へ中央主体が存在しないという条件を足した形で、稼働しているネットワークでも中央に管理する主体がいれば同じ扱いにならない。買い戻しの発表が投資契約の根拠になるかの線引きが動いた。
買い戻しの発表が経営努力の約束に当たるか
SEC企業財務部の公式FAQが示したのは、暗号資産システムが稼働しており、かつ中央主体が存在しない場合の扱いだ。この条件を満たせば、証券に当たらない暗号資産の買い戻しプログラムを発行体が発表しても、本質的な経営努力を引き受ける表明や約束には当たらないとしている。
ここが投資契約の成否を分ける。買い手が他者の努力による利益を期待しているかが軸になるため、買い戻しの発表が経営努力の約束と読まれれば、そのトークンは証券として扱われる余地が残る。
更新前は中央主体の条件が無く、稼働しているネットワークであれば足りると読めた。9月28日の追記で、管理主体が残るプロジェクトは対象から外れた。
別の項目では、暗号資産システムがいったん稼働した後、そのシステムや機能を保護し、維持し、改善し、拡張する行為は本質的な経営努力に当たらないとしている。開発資金の提供もこの範囲に入る。
買い戻しを掲げる銘柄はアルトコインにも及ぶ。同じ発表をしても、稼働状況と運営体制の違いで扱いが分かれる。
スタッフの見解で、規則ではない
FAQは12問で構成される。暗号資産の分類に関する6問と、投資契約に関する6問に分かれ、2026年3月の解釈通知が暗号資産にどう当てはまるかを説明する位置づけだ。分類の側では仮想通貨ステーキングの受領トークンの扱いも示している。
ただし位置づけには限界がある。FAQには「これらのよくある質問への回答は企業財務部スタッフの見解を示すものであり、証券取引委員会の規則、規制、声明ではない」と明記されている。
結論はなお事実関係に左右される。プロジェクトがどう売り出されたか、誰が管理しているか、購入者が他者の努力による利益を合理的に期待しているか。FAQはこの3点で結果が変わるとしている。
買い戻しを予定する発行体は、稼働の有無と中央主体の有無を同時に問われる。まだ稼働していないネットワークで買い戻しを利益の源泉として売り込む場合は、従来どおり証券性を問われる。
ポイント
- SECが9月28日、買い戻しの条件に中央主体の有無を加えた。
- 9月25日の公表時点では稼働済みであれば足りると読めた。
- FAQは全12問で、SECの規則ではなくスタッフの見解にとどまる。
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