ストラテジー(Strategy)のフォン・リーCEOは12日、株価の変動に対する懸念に対処するため、永久優先株の発行を拡大する計画を明らかにした。
永久優先株「Stretch」で安定性を重視
リーCEOはBloomberg TVのインタビューで、新たな資金調達の方針を語った。同社は「Stretch(STRC)」というブランド名の永久優先株の発行を増やす意向だ。
この優先株は、デジタル資本へのエクスポージャーを提供しつつ、ボラティリティリスクを軽減するように設計されている。市場参加者に対し、普通株よりも安定した選択肢を提供する狙いがある。
Stretch株は毎月リセットされる配当率を特徴としており、現在は11.25%に設定されている。株価を額面である100ドル(約1万5400円)付近で安定させる仕組みだ。
同社は過去3週間で、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の追加購入資金として約3億7000万ドル(約570億円)の普通株を発行した。一方で、永久優先株の発行額は700万ドル(約11億円)にとどまっている。
現在のところ、永久優先株は同社の全体的な資金調達のごく一部を占めるに過ぎない。今後はこの比率を高め、市場環境の変化に対応していく構えだ。
ビットコイン価格変動の影響と財務課題
ストラテジーの株価は、ビットコイン価格の変動に大きく左右される状況が続いている。ビットコインは12日に6万7000ドル(約1030万円)を割り込んだ。
これは2025年10月に記録したピーク時の12万5260ドル(約1930万円)から約50%の下落となる。これに伴い、同社の株価も年初来で17%下落した。このような仮想通貨暴落の局面では、投資家の不安が高まりやすい。
2024年11月の最高値と比較すると、株価は73%も下落している。同社は2025年第4四半期に124億ドル(約1兆9000億円)の純損失を計上した。
以前は同社の株価がビットコイン保有額に対して大幅なプレミアムで取引されていた。これにより、株式発行とビットコイン購入の好循環が生まれていた。
しかし、現在はそのプレミアムが事実上消滅している。資本市場の引き締めも相まって、従来のビジネスモデルは制約を受けている状況だ。
長期的な保有戦略は維持
永久優先株の発行拡大は、同社の財務構造をビットコイン価格の変動から切り離すための戦略的な取り組みである。デジタル資産に焦点を当てた財務戦略は維持される。
ストラテジーの共同創設者であるマイケル・セイラー会長は11日、CNBCのインタビューに応じた。同氏は、価格下落によりビットコイン売却を余儀なくされるとの懸念を否定した。
セイラー氏は、そのような懸念は「根拠がない」と一蹴している。同社は今後も四半期ごとにビットコインを購入し続ける方針を改めて強調した。
現在、同社は71万4000BTC以上を保有しており、その価値は約480億ドル(約7兆4000億円)に上る。長期的な視点での資産形成を継続する姿勢だ。この保有量は、世界のビットコイン保有者ランキングでも上位に位置する規模である。
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