暗号資産(仮想通貨)取引所大手のバイナンスは11日、同社史上最大規模となる補償プログラムを公開した。
これは、地政学的緊張と主要トークンの価格乖離が引き起こした記録的な193億ドル規模の清算事象に対応するものだ。
Resolution of USDE, BNSOL, and WBETH Price Depeg and Risk Control Enhancements 👇https://t.co/Tvrkj1Viwc
— Binance (@binance) October 11, 2025
史上最大193億ドルの清算、補償の詳細
バイナンスの公式声明によると、今回の危機で仮想通貨市場の仮想通貨時価総額は4000億ドル減少し、165万人以上のトレーダーが影響を受けた。
問題のデペッグは10日、協定世界時の21時36分から22時16分にかけて発生した。
デリバティブ市場で担保として使用されていたUSDe、BNSOL、WBETHの3銘柄が突如価値を失い、レバレッジをかけたポジションが不安定化した。
補償の対象は、この40分間にデペッグした資産を担保として保有していた先物、マージン、ローンの利用者に限定される。
バイナンスのイー・ヘ共同創設者は、プラットフォームのパフォーマンス問題に直接起因する損失のみが対象であると明言した。
同社は通常の市場変動による損失や未実現利益は補償対象外と強調している。
補償額は11日0時0分の市場価格と、それぞれの清算価格との差額として計算される。
対象となるアカウントには72時間以内に自動的に支払われる予定だ。
指定された時間外に損失を被った利用者は、カスタマーサポートを通じて個別審査を申請できる。
暴落の引き金とバイナンスの対応策
この大規模な清算は、地政学的な不安定さとDeFiの担保システムにおける構造的脆弱性という2つの要因が絡み合って発生した。
トランプ大統領の対中関税が市場急落の引き金となり、Ethenaの分散型ステーブルコインのUSDeなど複数トークンの同時崩壊が連鎖的な清算を誘発した。
この過程でバイナンスの担保評価メカニズムの欠陥が露呈した結果となった。
さらに、取引急増によるプラットフォームの遅延で一部利用者の損切りが間に合わず、被害が拡大した。
バイナンスは運用上の不備を認め謝罪し、リチャード・テンCEOは責任を認めつつ、即時のリスク管理強化策を公開した。
混乱時に安値で資産を得た利用者の利益は没収しない方針も示された。
その後、市場は反発し、ビットコイン は11万2000ドルまで上昇している。
ポイント
- バイナンスは、193億ドル規模の記録的な清算を受け、史上最大級の補償プログラムを公開。
- 補償は特定の時間帯にデペッグしたトークンを担保にしていた先物、マージン、ローン利用者が対象。
- 事件の原因は地政学的リスクとシステム脆弱性の複合であり、バイナンスは再発防止策を強化へ。
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