暗号資産(仮想通貨)を中心とした金融サービスを手掛けるギャラクシーデジタルはこのほど、米国デラウェア州への本社移転を完了し、5月16日のナスダック上場に向けた準備を進めていると発表した。
同社はこれまで本社をケイマン諸島に置いていたが、株主による5月9日の特別総会で移転計画が承認されたことを受け、今回の再編を実現した。
新体制下でギャラクシーデジタルの株式は、現行のトロント証券取引所(TSX)に加え、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットでも「GLXY」のティッカーシンボルで取引される予定だ。
当面はTSXとナスダックの両方での取引が継続される見通しだ。
2025年第1四半期は2億9,500万ドルの損失
同時に公表された2025年第1四半期決算では、ギャラクシーデジタルが2億9500万ドル(約43億7600万円)の純損失を計上したことが明らかになった。
背景として、仮想通貨市場の下落と、マイニング関連インフラに関する1.8億ドル(約26億6400万円)の減損処理が主因となっている。
また、新しい仮想通貨の価格低迷や市場の不安定さが、マイニング事業や投資ポートフォリオにも影響を及ぼしている。これにより、収益構造にも厳しい状況が続いている。
それでも同社は、現金およびステーブルコインなどで11億ドル(約162.8億円)の流動性を維持しており、デジタル資産や人工知能(AI)領域への拡大を継続する方針を示している。
米国上場でデジタル資産とAI事業を拡大
ギャラクシーデジタルのマイク・ノヴォグラッツCEOは、ナスダック上場の意義について「デジタル資産やAIエージェント仮想通貨分野へのゲートウェイになるための変革的な節目だ」と言及した。
同氏は、米国市場での上場が規制対応やグローバルな投資家層の拡大につながると説明している。
ナスダック上場には最終的な承認手続きが残されているが、5月16日の新規取引開始が予定されている。
ギャラクシーデジタルの今回の再編と財務施策は、成長と財務健全性のバランスを取りつつ、デジタル資産産業の先端を目指す戦略の一環だと言える。
ポイント
- ギャラクシーデジタルは米国デラウェア州へ本社を移転し、ナスダック上場を控えている。
- 2025年第1四半期には仮想通貨価格の下落とマイニング関連減損で約2億9500万ドルの損失を計上した。
- 同社はAI分野とデジタル資産エコシステムへの拡大戦略を維持している。
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