ビットコイン(BTC)財務戦略企業ストラテジーのマイケル・セイラー会長は9日、ビットコインを基盤とした新たな銀行システムの構築を提案した。

デジタル資本としてのビットコインと銀行の役割

セイラー氏はドバイで開催されたBitcoin MENA 2025カンファレンスで基調講演を行い、ビットコインをデジタル資本と定義した。

同氏によれば、ビットコインは単なる資産にとどまらず、新しい世界金融システムの土台となる存在だという。

同氏は講演の中で、将来の金融システムに関する3部構成の枠組みを提示した

それは、ビットコインがデジタル資本となり、その上にデジタルクレジット(信用)が構築され、最終的にデジタルマネーが銀行業務を再形成するというものだ。

提案されたシステムでは、規制された銀行が重要な役割を果たすことになる。銀行が顧客のビットコインを保管し、それを担保として信用を供与する仕組みを同氏は描いている。

セイラー氏は「銀行にビットコインや暗号資産(仮想通貨)を保管させ、それに基づいてデジタルクレジットを創出する」という具体的なビジョンを語った。

このビットコイン担保モデルは、従来の債券市場を上回るパフォーマンスを発揮する可能性があると同氏は主張している。

この構想を実現するため、セイラー氏は中東の政府系ファンドや銀行、規制当局と積極的に会談を行っている。

同氏はこれまでに50から100の機関投資家や関係者と面会し、ビットコインに裏打ちされた金融構造の推進を図ってきた。

この動きは国家レベルでの採用を目指す同氏の戦略の一環であり、同氏は各国の主権ファンドに対し、ビットコインを活用した金融インフラの整備を働きかけている。

200兆ドルの市場機会と高利回りの可能性

セイラー氏は、世界中に約200兆ドルの資金が存在すると指摘し、これが大きな市場機会であると強調した。この巨大な市場に対し、ビットコインを活用した銀行口座が魅力的な選択肢になると説明している。

具体的には、規制された銀行のデジタル口座に10億ドルを預けることで、安定した利回りを得られる可能性があるという。

このようなビットコイン運用の手法が確立されれば、機関投資家の参入も加速するはずだ。同氏は例として、変動のない8%の利回りを享受できる未来を示唆した。

現在、銀行システム外にあるビットコインは約2兆ドルに上るとされる。これらを正規の銀行システムに統合することで、数兆ドル規模の資本を呼び込めると同氏は見ている。

しかし、多くの大手銀行は依然としてビットコインのカストディや融資サービスに対応していないのが現状だ。

セイラー氏は、この未開拓分野こそが金融機関にとって次の大きな成長機会になると指摘している。

同社は、保有するビットコインを永続的に利回りを生む金融商品へと転換する計画を進めており、デジタル資本を活用した信用市場の変革を目指している。

この仕組みは、銀行や短期金融市場が抱える課題を解消し、企業の資金調達コストを再設定する可能性があると、セイラー氏は語った。

ポイント

  • マイケル・セイラー氏がビットコインを基盤とした新たな銀行システムの構築を提案した
  • 規制された銀行がビットコインを保管し、それを担保に信用を供与する仕組みを構想している
  • 世界中の200兆ドル規模の資金に対し、安定した利回りを提供する機会があると強調した

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浅川 智
浅川 智
暗号資産ジャーナリスト

99bitcoinsの暗号資産(仮想通貨)ライターとして活動。FX取引の経験を活... 続きを読む

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