Tools for Humanity社は10日、独自の生体認証システムを用いた人間認証サービス「ワールドネットワーク」の利用者が1000万人を突破したと発表した。
同社は2023年7月に暗号資産(仮想通貨)「ワールドコイン(WLD)」を発行し、10月にはプロジェクト全体を「ワールドネットワーク」としてリブランディング。人間とAIを区別するデジタルIDの発行と、グローバルな経済圏の構築を進めてきた。
サービスの特徴と展開
TFH社のCEOであるアレックス・ブラニア氏は、イーサリアム(ETH)レイヤー2の「ワールドチェーン」、デジタルID「ワールドID」、仮想通貨WLDの3つを基盤技術として位置付けている。利用者は球形スキャナー「オーブ」による虹彩認証を通じて、デジタルIDと仮想通貨を取得できる仕組みだ。
専用アプリ「World App」のダウンロード数は2000万を突破。虹彩スキャンを行わないユーザーでも仮想通貨ウォレットとしての利用が可能となっている。
セキュリティ体制の強化
プライバシー保護の面では、生体認証データの管理に量子コンピュータ時代を見据えた分散秘匿化技術「SMPC」を導入した。このシステムをオープンソース化し、個人情報を暗号化して複数の管理者で分散管理する体制を整えている。
ドイツ・バイエルン州データ保護監督局からの指摘を受け、現在の認証システムでは虹彩データを保存しない仕組みに移行。一般データ保護規則(GDPR)の要件を満たす新たな運用を確立した。
国際展開の加速
2024年に入り、オーストリア、ブラジル、コロンビア、マレーシア、ポーランドなどでID認証サービスを順次開始。OpenAI共同創業者のサム・アルトマン氏が掲げる「グローバル経済へのアクセシビリティ向上」という目標に向けて、取り組みを加速させている。
アルトマン氏は自身のSNSで「1000万人の認証ユーザーは、人間とAIが共存する未来への重要な一歩だ」とコメント。今後は政府機関や企業との連携も視野に入れ、デジタルIDの用途拡大を検討しているという。
WLDの時価総額は約3480億円(2025年1月11日時点)で、仮想通貨市場の時価総額ランキングで60位につけている。海外の主要取引所では取引が可能だが、国内の仮想通貨取引所への上場は実現していない。同社は認証済みユーザーのネットワークをさらに拡大し、AI時代における新たな経済圏の構築を目指す考えだ。
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