資産運用会社ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアコモディティストラテジストであるマイク・マグローン氏は28日、イーサリアム(ETH)がリスク資産、特に米国株式市場と密接に相関していると指摘した。
マグローン氏によると、米国株式市場が下落基調を続ける場合、イーサリアム(ETH)の価格は大幅な下落圧力に直面し、今年後半には1,000ドル(約15万1000円)水準まで下落する可能性があるという。
反対に、イーサリアムが2,000ドル(約30万2000円)水準に回復した場合は、リスク資産全体の強さが回復している兆候と見なせるとしている。
しかし、現在のビットコイン(BTC)の弱含みが続くと、主要アルトコインを含めた暗号資産(仮想通貨)市場全体での損失がさらに拡大する可能性もあるとマグローン氏は警告している。
イーサリアムと株式市場の相関性
マグローン氏が特に注目しているのは、イーサリアムとS&P500指数に代表される米国株式市場との相関関係だ。仮想通貨と従来の金融市場との関連性は、機関投資家の参入が進むにつれて強まっている傾向がある。
「イーサリアムはリスク資産の性質を持っており、株式市場が下落すれば同様に下落する傾向がある」とマグローン氏は分析している。特に、米国の金融政策や経済指標の変動に対して、イーサリアムを含む仮想通貨市場は敏感に反応する特性がある。
この相関性は投資戦略を立てる上で重要な指標となるため、仮想通貨投資家は米国株式市場の動向にも注目する必要があるだろう。
ビットコインの影響力とアルトコイン市場への波及効果
マグローン氏はまた、仮想通貨市場におけるビットコインの主導的役割についても言及している。ビットコインの価格動向が弱含むと、イーサリアムを含むアルトコイン市場全体に下落圧力がかかる可能性が高い。
「ビットコインは仮想通貨市場の基軸通貨としての役割を持っている。その弱さは市場全体に波及する」と同氏は説明する。仮想通貨市場においてビットコインの動向は依然として最も重要な指標の一つであり続けている。
長期的なファンダメンタルズと回復シナリオ
短期的な下落リスクに言及する一方で、マグローン氏はイーサリアムの長期的なファンダメンタルズについては比較的ポジティブな見方をしている。
イーサリアムのブロックチェーン技術としての基盤や、分散型アプリケーション(DApps)のプラットフォームとしての価値は変わらないと評価している。特にDeFi(分散型金融)のような革新的な用途は、イーサリアムエコシステムの強みの一つとなっている。
「イーサリアムが2,000ドルレベルに回復すれば、それはリスク資産全体の回復シグナルとなりうる」と同氏は述べている。この見方は、イーサリアムが単なる投機対象ではなく、市場センチメントの重要な指標としての役割も担っていることを示唆している。
投資家の間では、仮想通貨などのリスク資産から金などの伝統的な安全資産へのシフトも見られており、このような市場心理の変化もイーサリアムの価格形成に影響を与える要因となっている。
仮想通貨市場参加者は、このような複合的な要因を考慮した投資判断が求められるだろう。
ポイント
- アナリストであるマイク・マグローン氏は、イーサリアム(ETH)がリスク資産、特に米国株式市場と密接に相関していると指摘
- 米国株式市場が下落基調を続ける場合、イーサリアム(ETH)の価格は2025年後半には1,000ドル水準まで下落する可能性があるという
- 短期的な下落リスクに言及する一方で、マグローン氏はイーサリアムの長期的なファンダメンタルズについてはポジティブな見方をしている
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