米国の投資会社スカイブリッジ・キャピタルは19日、3億ドル(約444億円)相当の資産をアバランチ(AVAX)のブロックチェーン上でトークン化する計画を発表した

大規模な資産トークン化計画の詳細

この計画は、ワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウムで明らかにされた。同社の創設者であるアンソニー・スカラムーチ氏は、この動きを「オルタナティブ投資の近代化における重要な一歩」だと述べた。

トークン化の対象となるのは2つのファンドである。一つはビットコイン(BTC)のような非証券の暗号資産(仮想通貨)に特化したもので、もう一つはベンチャーキャピタルと仮想通貨の両方を含む「ファンド・オブ・ファンズ」だ。この3億ドルという規模は、同社の総資産運用額約20億ドルの約1割に相当する。

今回の取り組みは、エンタープライズ向けのトークン化ソリューションを提供するTokeny社との戦略的提携を通じて実行される。この計画により、アバランチ上の現実資産(RWA)の総額は、発表前の約1億8,800万ドルからほぼ倍増することになる。

金融業界におけるトークン化の潮流

スカイブリッジ・キャピタルの決定は、金融業界全体に広がるトークン化の大きな流れを反映している。ブラックロックやJPモルガン、シティといった大手金融機関も、伝統的な金融を近代化するため資産のトークン化を積極的に模索している。特に、承認されたビットコインETFの成功は、伝統金融によるデジタル資産への関心をさらに高める要因となっている。

RWAトークン化市場は2025年に入り、すでに64.7%の成長を遂げた。スカラムーチ氏は「トークン化が、より速く、安く、安全な取引を実現できるかどうかが重要であり、その答えはイエスだと考えている」と述べ、その合理性を強調した。

アバランチが選ばれた背景には、低い取引手数料、高い拡張性、そして堅牢なインフラといった技術的優位性がある。こうした特徴を持つアルトコインは、現実資産のトークン化において重要な役割を担うと期待されている。市場アナリストは、トークン化市場が2030年までに16兆ドル(約2,368兆円)規模に達する可能性を指摘しており、伝統的な資産運用会社にとって早期参入の動機付けとなっている。

トークン化がもたらす変革と今後の展望

資産のトークン化は、ファンド商品の流動性を高め、所有権の記録を透明かつ不変なものにする。さらに、決済時間の短縮や取引コストの削減も可能にし、参加者との関わり方を変革する可能性を秘めている。

スカラムーチ氏はこの発表を単独の実験ではなく、より大きな業界の変化の一部と捉えている。同氏は2026年から2027年を「現実資産トークン化の時代」と位置づけた。これにより、商品の分割所有や24時間体制での取引が容易になる。

アバランチの開発を主導するAva Labsのジョン・ウー社長は、スカイブリッジの動きを「トークン化が主流になったことを示す強力な市場シグナル」と評価した。一方で、規制の不確実性や異なるブロックチェーン間の相互運用性に関する標準化など、克服すべき課題も残されている。

米投資会社スカイブリッジ・キャピタルが、3億ドル相当の資産をアバランチ上でトークン化する計画を発表。現実資産のトークン化が加速する。

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由利 匠
由利 匠
暗号資産ジャーナリスト

日本語版99Bitcoinsニュースライター。5年ほど仮想通貨メディアでニュース... 続きを読む

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