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野村ホールディングスは1月30日、暗号資産(仮想通貨)関連子会社の損失を受け、保有ポジションを縮小したと明らかにした。
同社が発表した第3四半期決算によると、純利益は前年同期比9.7%減の5億8400万ドル(約905億円)となった。この減益の一因として、デジタル資産子会社であるLaser Digital(レーザー・デジタル)の損失が挙げられている。
市場の急落とリスク管理の強化
野村HDの森内寛幸CEOは決算説明会で、レーザー・デジタルのトレーディング部門における損失について言及した。同氏は、2025年10月に発生したデジタル資産市場の急落が業績に影響を与えたと説明している。
今回の損失の背景には、業界史上最大規模とされるレバレッジ解消の動きがあった。2025年10月、ビットコイン(BTC)は一時12万6200ドル(約1956万円)を超える過去最高値を記録した。
しかしその後、市場はフラッシュクラッシュに見舞われ、190億ドル(約2兆9450億円)以上のポジションが清算された。
この変動により、仮想通貨市場全体の時価総額は約4兆3000億ドルから3兆ドル強へと急減している。今回のような仮想通貨暴落は、市場のボラティリティの高さを改めて浮き彫りにした。
ビットコイン価格は2025年末時点で約8万7000ドル(約1348万円)となり、10月のピーク時から約30%下落した。こうした激しい価格変動を受け、野村HDはレーザー・デジタルにおけるポジション管理の厳格化に踏み切った。
同社はグループ全体の収益変動を抑えるため、仮想通貨の保有高を意図的に削減する措置を講じている。これは、短期的な利益の振れ幅を抑制しつつ、長期的な戦略的地位を維持するための戦術的な調整である。
長期的な事業拡大方針は維持
短期的なリスク管理を強化する一方で、野村HDは仮想通貨関連事業への取り組みを継続する姿勢を崩していない。経営陣は、中長期的にはこれらの事業を拡大する計画であることを明言している。
その証左として、レーザー・デジタルは決算発表直前の1月27日、米国通貨監督庁(OCC)に対し、国立信託銀行の設立を申請した。この動きは、米国市場での機関投資家向けサービスを強化する狙いがある。
新設予定の銀行は、個人からの預金受け入れは行わず、デジタル資産セクター向けの資産管理や関連サービスに特化する方針だ。これにより、連邦政府の認可を目指す他の仮想通貨関連企業と同様の立ち位置を確保することになる。
また、レーザー・デジタルは最近、ビットコインの現物パフォーマンスに加えて利回り(イールド)を生み出すトークン化商品を立ち上げた。
この仕組みは、ステーキングのように保有資産を活用して収益を得る手段として注目されている。これは2023年のファンドに続くもので、機関投資家の収益向上を支援する。
野村HDは600億円規模の自社株買いプログラムも発表しており、財務基盤の健全性を示している。同社はデジタル資産エコシステムへの適応を進めながら、中核事業への自信を示し続けている。
ポイント
- 野村HDは子会社レーザー・デジタルの損失を受け、仮想通貨の保有ポジションを縮小した。
- 損失の主因は2025年10月の市場急落であり、リスク管理の厳格化が進められている。
- 短期的な調整にもかかわらず、米国での銀行設立申請など長期的な事業拡大方針は維持する。
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