ナスダック上場企業のFGネクサスは15日、暗号資産(仮想通貨)の財務戦略において多額の損失を計上した。
イーサリアム準備資産の売却と損失の背景
FGネクサスは、イーサリアム(ETH)を主要な財務準備資産として位置づけていた。
同社は2025年8月から9月にかけて、5万770 ETHを平均3,860ドルで取得した。この取得総額は約1億9,600万ドルに上り、短期的な利益を狙う取引ではなく、長期的な資産保有を目的とした戦略だった。
しかし、同社は同年11月頃から保有するイーサリアムの一部売却を開始した。これまでに3万6,025 ETHを平均2,330ドルで手放している。
この売却による収入は約8,392万ドルにとどまり、当初の取得費用を大幅に下回る厳しい結果となった。
取得単価を大きく下回る価格での売却となったため、売却分だけで約5,500万ドルの実現損が発生した。
さらに、手元に残る1万4,745 ETHの未実現損などを合わせると、累計損失は8,500万ドルを超えるとみられている。
市場環境の変化と企業評価への影響
この多額の損失は、イーサリアムの価格下落が主な要因となっている。2025年後半は、マクロ経済政策への期待や仮想通貨市場に対する規制動向が大きな価格変動をもたらした。
高値圏で大量の資産を取得し、仮想通貨暴落後に売却を余儀なくされたことが、巨額の損失を確定させる直接的な原因となった。
FGネクサスはナスダック上場企業であるため、保有資産の時価評価や実現損は財務諸表に直接反映される仕組みとなっている。
このような財務状況の悪化は、今後の収益や自己資本に深刻な影響を及ぼす可能性が高い。企業が価格変動の激しい仮想通貨をバランスシートに組み込む際のリスクが、改めて浮き彫りになったと言える。
正式な四半期報告書や年次報告書が公開されれば、投資家の心理や企業評価にさらなる影響を与えることが予想される。市場関係者は、同社の今後の財務戦略やリスク管理の動向に強い関心を寄せている。
ポイント
- FGネクサスはイーサリアムを財務準備資産として大量に取得した。
- 価格下落後に一部を売却し、約88億円の実現損が発生した。
- 未実現損を含めた累計損失は136億円を超えるとみられている。
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