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資産運用大手のフィデリティ・インベストメンツは28日、独自のステーブルコイン「Fidelity Digital Dollar(FIDD)」を発行すると発表した。
この新しいトークンは、今後数週間以内に個人および機関投資家向けに提供が開始される予定だ。発行体はフィデリティ・デジタル・アセット・ナショナル・アソシエーションが務める。同組織は2025年12月に米通貨監督庁(OCC)から運営の条件付き承認を取得している。
FIDDは米ドルと1対1で連動し、短期国債と現金によって裏付けられる仕組みだ。これらの準備資産はフィデリティ・マネジメント&リサーチ・カンパニーが管理を行う。トークンはイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で発行され、同社のプラットフォームや外部の取引所で利用可能になる。
規制環境の変化と市場参入の背景
今回の市場参入は、2025年7月に制定された「Genius Act」による規制環境の整備が大きく影響している。この連邦法はステーブルコイン発行者に対する規制枠組みを確立したものだ。これにより、伝統的な金融機関が市場に参入するための明確な基準が設けられた。
現在のステーブルコイン市場は約3150億ドル(約48兆1950億円)の規模を持つ。テザー(USDT)が市場の約60%を占め、サークル(USDC)がそれに続く状況だ。ペイパルなどの他社も参入しているが、先行する2社のシェアを奪うには至っていない。
フィデリティの強みと今後の展望
フィデリティ・デジタル・アセットのマイク・オライリー社長は、ステーブルコインが決済の基盤になる可能性を指摘した。リアルタイム決済や24時間の資金管理は、顧客にとって大きなメリットになると説明している。同社は2014年から暗号資産(仮想通貨)分野に関わっており、その知見を活かす方針だ。
フィデリティは約1年前にはステーブルコインの発行計画はないとしていたが、方針を転換した形となる。同社は5.9兆ドル(約902兆7000億円)の運用資産を持つ実績を背景に、差別化を図る。特に準備資産の管理能力や、既存の金融サービスとの補完性が強みになるとみている。
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