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イタリアの名門サッカークラブ、ユベントスFCを所有する持株会社Exor(エクソール)は13日、ステーブルコイン発行大手のTether(テザー)による買収提案を拒否した。
アニェッリ家が管理するExorは声明で、取締役会がテザーからの拘束力のある現金による買収提案を全会一致で否決したことを明らかにした。
同社は「エルサルバドルに拠点を置くテザーを含むいかなる第三者に対しても、ユベントスの株式を売却する意図はない」と明言している。
Exorのジョン・エルカンCEOは、「価値観は売り物ではない」と述べ、クラブの所有権を手放す考えがないことを強調した。
アニェッリ家は1923年からユベントスのオーナーを務めており、1世紀以上にわたりイタリアサッカー界の象徴である同クラブを管理してきた。
総額2000億円超の巨額オファー
テザーが12日に提示した買収案は、クラブ全体の評価額を約11億ユーロ(13億ドル、約2015億円)とする大規模なものだった。
提案では1株あたり2.66ユーロ(約487円)での買い取りが示され、これは金曜日の終値に対して21%のプレミアムを上乗せした価格である。
具体的には、テザーはまずExorが保有する65.4%の株式を約5億4000万ユーロ(約988億円)で取得し、その後残りの株式についても買い付けを行う計画だった。
さらに、買収が成功した場合には、クラブの発展のために追加で10億ユーロ(約1830億円)を投じることも約束していた。
テザーは時価総額1800億ドル(約27兆9000億円)を超える世界最大のステーブルコイン「USDT」の発行元として知られる。
同社はすでに2025年11月の増資に参加し、ユベントスの株式約11.5%を取得して第2位の株主となっていた。
財務課題とクラブの再建
今回の提案拒否の背景には、アニェッリ家とクラブとの深い歴史的な結びつきがある。一方で、ユベントスは近年、深刻な財務難に直面しており、2024/25年度には5000万ユーロ(約91億5000億円)の赤字を計上している。
過去7年間で合計10億ユーロ(約1830億円)以上の資本注入が必要となるなど、経営状況は予断を許さない。
また、虚偽会計や市場操作の疑いによる勝ち点剥奪や欧州大会への出場禁止など、ピッチ外での問題も相次ぎ、現在は再建の重要な局面に立たされている。
テザーのパオロ・アルドイノCEOは熱心なユベントスファンとしても知られ、今回の提案には個人的な思い入れもあったと見られる。彼はビットコインの強力な支持者でもある。
しかし、Exorはテザーを「エルサルバドル拠点」と表現し、欧州サッカーのガバナンスとの整合性に懸念を示唆した。
買収提案のニュースを受けてユベントスの株価は一時30%急騰したが、拒否の発表後、関連するファントークンは下落した。
こうした銘柄はニュース次第で仮想通貨高騰を見せることもあるが、変動も激しい。Exorは「チームの成功へのコミットメントを継続し、勝利するユベントスを築くために未来を見据える」と結んでいる。
ポイント
- ユベントスの親会社Exorは、テザーによる総額13億ドル規模の買収提案を全会一致で拒否した。
- テザーは1株あたり2.66ユーロでの株式取得と、クラブ発展のための追加資金提供を提案していた。
- アニェッリ家は100年以上にわたるオーナーシップを維持し、クラブの再建にコミットする姿勢を強調した。
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