欧州の大手銀行9行からなる連合は25日、EUの暗号資産市場規制(MiCA)に準拠したユーロ建てステーブルコインを2026年後半に発行する計画を明らかにした。
現在のステーブルコイン市場で90%以上を占める米ドル建てへの依存からの脱却を狙い、欧州独自のデジタル決済基盤の構築を目指す。
MiCA準拠のステーブルコイン、2026年始動へ
この計画には、オランダのINGグループ、イタリアのウニクレディト、ドイツのDZバンクなど、EU加盟8カ国の主要銀行が参加する。
連合はオランダに新会社を設立し、同国の中央銀行から電子マネーライセンスを取得して、ステーブルコインの開発と管理を監督する方針である。
この取り組みは、2029年に予定される公式なデジタルユーロ導入までの橋渡し役と位置付けられている。
ステーブルコインは、MiCAが定める透明性、準備金の裏付け、運用信頼性といった厳格な要件を遵守し、ブロックチェーン上で機能するよう設計される見込みだ。
連合は他の金融機関にも参加を呼びかけ、業界全体での普及と欧州のデジタル決済標準の確立を目指すとしている。
こうした動きは、過去の仮想通貨バブルへの懸念とは別に、実用的な側面からデジタル資産の普及を後押しする可能性がある。
ドル依存からの脱却と次世代決済の標準化
この動きの背景には、世界のステーブルコイン市場における米ドル建てコインへの強い依存がある。
現在、市場の90%以上をドル建てが占めており、欧州の金融当局はこの状況を決済主権における戦略的な脆弱性と見なしている。
MiCAの施行により規制の明確性が確保され、伝統的な金融機関が仮想通貨の革新に参加できる環境が整った。
このステーブルコインは、主に企業間の越境取引やサプライチェーンファイナンスでの利用を想定している。
従来の金融システムに比べ、ビットコイン(BTC)などの暗号資産は送金手数料や速度の面で利点があるとされてきたが、価格変動が課題であった。
24時間365日稼働するプログラム可能な決済を従来より低コストで実現し、分散型金融(DeFi)プロトコルとの統合も視野に入れている。
スマートコントラクトを活用するイーサリアム(ETH)のようなプラットフォームとの連携が鍵となる見通しだ。
こうした背景から、欧州の金融機関が発行するステーブルコインは、既存のアルトコインとは異なる位置付けで市場に受け入れられる可能性がある。
ポイント
- 欧州大手銀行9行がMiCA準拠のユーロ建てステーブルコインを2026年後半に発行予定
- 米ドル依存の市場構造からの脱却を目指し、欧州の決済主権確保を狙う
- 企業間取引やDeFiプロトコル統合を想定した次世代決済標準の構築を目指す
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