アメリカが戦略準備金にまで採用しようとしているビットコインですが、依然として開発者であるサトシナカモト(satoshi nakamoto)の正体は明らかになっていません。
そこで本記事ではビットコイン創設者であるサトシナカモトの正体について、候補者や最新情報も踏まえつつ解説していきます。
「ビットコインは誰が何の目的で作ったの?」「ビットコインを作った人は日本人?」と気になっている方は、是非最後までご覧ください。
ビットコイン開発者サトシナカモトとは?
サトシナカモト(Satoshi Nakamoto)は、仮想通貨ビットコインの創設者として知られる謎の人物です。ビットコインとは世界初の仮想通貨ですが、2008年に「ビットコイン:ピアツーピアの電子マネーシステム」と題する論文を発表し、翌年にビットコインのソフトウェアを公開しました。
その後、2010年頃から公の場から姿を消し、真の身元は今も不明のままです。
サトシナカモトが日本人なのか、そもそも個人なのかすら分かっていない状態ですが、サトシナカモトという名前は日本人を連想させるため、「中本聡」「中本哲史」と言った表記が使われることもあります。
ビットコインの発明は分散型デジタル通貨の概念を世界に広め、金融技術に革命をもたらしたことから、敬意を込めてビットコインの最小単位には「satoshi」という名称の単位が使用されています。
サトシナカモトに関する歴史
ここからはビットコイン創設者であるサトシナカモトとビットコイン草創期の時系列を解説していきます。
2008年:ビットコインのホワイトペーパー発表
2008年10月31日、サトシナカモトは「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」と題されたホワイトペーパーを発表しました。この文書では、中央集権的な金融機関を介さずに取引を行うための新しいデジタル通貨の概念が詳細に説明されています。
特にブロックチェーン技術を利用して取引の透明性と安全性を確保する方法が強調されました。この発表は仮想通貨の革命的なスタートを切るものであり、後にビットコインが世界中で広く受け入れられるきっかけとなっています。
サトシナカモトはこの文書を通じて、金融システムの再構築を目指すビジョンを示しました。
2009年:ビットコインネットワークの開始
2009年1月3日、サトシナカモトはビットコインネットワークを正式に開始しました。この日、最初のブロックである「ジェネシスブロック」が生成され、50BTCがマイニングされました。
このジェネシスブロックには、イギリスの新聞「The Times」の見出し「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks」が含まれていました。
日本語訳すると「2009年1月3日 銀行救済、2度目の瀬戸際に立たされる首相」となりますが、2008年当時は金融危機の最中で、英国政府が銀行救済に奔放していた時期です。
サトシナカモトは中央集権的な銀行制度から独立し、より透明で信頼性の高い通貨を提供することを意図してこの見出しを敢えて入れ込んだと考えられています。
サトシナカモトは中央集権的な銀行制度からの脱却を目指し、分散型のデジタル通貨を提唱しました。
2010年:初のビットコイン取引はピザ
2010年5月22日、ビットコインの歴史において重要な出来事がありました。この日プログラマーのラザルス・ハウが、1万ビットコインでピザ2枚を購入したことで、ビットコインが実際の商取引に使われる初のケースとなりました。
この取引は「ピザの日」として知られ、ビットコインの実用性を示す象徴的な瞬間とされています。取引当時1万ビットコインの価値は約41ドルでしたが、現在ではその価値は数千万ドルに達しています。
この出来事は、仮想通貨が単なる投機対象から実際の経済活動に参加する一歩を踏み出したことを意味します。
2011年:サトシナカモトが姿を消す
2010年12月、ビットコインの創始者サトシナカモトは突如として公での活動を停止することになります。
2010年12月12日のビットコインフォーラムでの投稿が、サトシナカモトの最後のメッセージとして知られています。この投稿では「ビットコインのソフトウェアはサービス拒否攻撃(DoS)に対してより強固になる必要がある」と述べました。
しかし彼の最後のメッセージはこれだけではありません。2011年4月23日、サトシは開発者マイク・ハーンに対して「他のことに移った」と伝え、プロジェクトは「ギャビンとみんなの手に委ねられている」と述べました。ギャビンとは、サトシナカモトと共にビットコインの初期開発に携わっていたエンジニアの一人です。
そして2011年4月26日にはギャビンに対して、「私を神秘的な影の存在として語るのはやめてほしい」と、自身を過度に神秘化することへの懸念を表明しました
ギャビンはその後ビットコイン財団を設立し、ビットコインの普及と技術的な改善に努めたことで、今日ビットコインはおすすめ仮想通貨トップのポジションを堅持しています。
サトシナカモトと推測されてきた人物
ビットコインの創設者であるサトシナカモトの正体は、長年にわたり多くの憶測を呼んできました。さまざまな候補者が挙げられていますが、特に注目される人物をここでは解説します。
- 金子勇
- クレイグ・スティーブン・ライト
- ハル・フィニー
- ドリアン・ナカモト
金子勇
金子勇は日本のプログラマーで、P2Pネットワークに関する技術的な背景を持ち、特に「Winny」というファイル共有ソフトウェアの開発で知られています。
このWinnyとビットコインのブロックチェーンの違いが分かりにくいため、金子勇がビットコイン創設者のサトシナカモトなのではないか?と言われています。
実際にWinnyとブロックチェーンは異なるものであるため、違いを表にまとめました。
項目 | Winny | ブロックチェーン |
目的 | ファイル共有 | 取引の記録と管理 |
保存方法 | 中央サーバーなしでファイルを保存 | ブロック単位でデータを連結、チェーン状に保存 |
セキュリティ | ユーザー間の匿名性を重視 | 暗号技術を用いて取引の改ざん防止を実現 |
Winnyはファイル共有を目的としたP2Pソフトウェアで、ユーザー間でデータを直接交換します。一方ブロックチェーンは取引データを分散型で記録・管理する技術で、透明性とセキュリティを提供します。
つまり、Winnyはデータ共有のためのツール、ブロックチェーンは信頼性のある取引記録の基盤であり思想が異なるので、金子勇がサトシナカモトと断定するのは難しいでしょう。
クレイグ・スティーブン・ライト
オーストラリアのコンピュータ科学者であるクレイグ・スティーブン・ライトは、自らがサトシナカモトであると公言してきました。しかし彼の主張は多くの批判にさらされており、2024年にはイギリスの高等法院によって彼がサトシナカモトではないと判決されました。この裁判では、クレイグ・スティーブン・ライトが証拠書類を偽造し虚偽の証言を行ったことが指摘されました。
参考:「私がサトシ・ナカモト」 ビットコイン生みの親? 裁判所の判断は
ハル・フィニー
ハル・フィニーはビットコインの初期ユーザーであり、サトシナカモトとの通信記録が存在します。彼はビットコインソフトウェアの初期バージョンを使用し、バグ報告なども行っていました。フィニーはその後、ALSという病気にかかりながらもビットコインの発展に寄与しました。
ドリアン・ナカモト
2014年にメディアによってサトシナカモトとして特定されたドリアン・ナカモトは日本系アメリカ人であり、彼自身はその主張を否定しています。ドリアン・ナカモトはビットコインとは無関係であると述べ、その後も多くのメディアから注目を浴びました。
他の候補者
サトシナカモトと噂された他の候補所は以下の通り。
- ニック・ザボ:スマートコントラクトという概念を提唱した人物
- デイヴィッド・クレイマン:クレイグ・スティーブン・ライトと関係があったとされるコンピュータ科学者
- シンイチ・モチズキ:数学者として知られる人物で、一部からサトシナカモトではないかと噂されている
これらの人物たちは、それぞれ異なる背景や技術的専門知識を持ち、サトシナカモトとして推測されています。しかしその真相は未だに解明されておらず、ビットコイン創設者に関する議論は続いている状態です。
サトシナカモトの資産について
サトシナカモトは推定で約110万BTCを保有しているとされています。この資産は、現在のビットコイン価格が1500万円(約10万ドル)と仮定すると、約1650億円に相当します。サトシナカモトが保有するビットコインは主に初期のマイニングによって得られたものであり、そのほとんどは未使用のまま残っています。
サトシナカモトのビットコインは約2万のアドレスに分散されており、これらのアドレスからは長年にわたり一度も取引が行われていません。このため彼の正確な資産状況や意図については多くの憶測が飛び交っています。
最近の研究では、サトシナカモトが2010年に作成したアドレスから少量のビットコインを売却している可能性も示唆されていますが、これは彼の匿名性を維持するための戦略と考えられています。
サトシナカモトを巡る最新情報【2025年】
ここではサトシナカモトの正体に関する最新の情報をお届け。
- ドキュメンタリー映画『Money Electric: The Bitcoin Mystery』
- アルゼンチンのイベント「LABITCONF」
ドキュメンタリー映画『Money Electric: The Bitcoin Mystery』
2024年10月8日に公開されたHBOのドキュメンタリー映画『Money Electric: The Bitcoin Mystery』は、サトシナカモトの正体を巡る議論を再燃させています。この映画はビットコインの起源とその匿名の創始者サトシナカモトの正体を探る内容となっており、カナダの開発者ピーター・トッドがサトシである可能性が示唆されています。
トッドはビットコインの初期から関わっており、技術的な貢献をしてきましたが、彼自身は「私はサトシではない」と明言しています。
映画の中で、ピーター・トッドとサトシナカモトの過去のフォーラムのやり取りが取り上げられ、これが彼とサトシの関連性を示す証拠とされています。しかしこの主張に対しては多くの反発があり、コミュニティ内では「単なる偶然だ」とする意見も根強いです。
トッドはこの映画に対し、「私はサトシではない」と繰り返し否定し、彼に対するハラスメントや安全への懸念から一時的に隠れているとも報じられています。
アルゼンチンのイベント「LABITCONF」
2024年11月1日と2日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催された「LABITCONF」は、ビットコインとブロックチェーン技術に関する重要な国際会議です。このイベントでは、サトシナカモトが自身の正体を明かすという衝撃的な告知がありました。
公式発表によると、サトシは「重大な法的問題に直面しているため」正体を明かすとされ、検証可能な証拠を提示すると約束しました。
しかしイベント当日、主催者は「多くの人がサトシを名乗っているが、真実は一つ、私達がサトシだ」と述べ、参加者たちに自己顕示的な行動ではなく、オープンソースプロジェクトとしての意義を重視するよう呼びかけました。ビットコイン専門家の小宮自由氏は、サトシがこのような派手な方法で正体を明かす可能性は低いと指摘しています。
LABITCONFは、業界のリーダーや開発者が集まり、ビットコインの未来や社会への影響について議論する場として重要な役割を果たしています。サトシナカモトに関する新たな情報が浮上する中、このイベントは今後も注目されることでしょう。
まとめ
本記事ではビットコイン開発者であるサトシナカモトの正体や資産、本人と噂される人々や最新情報を解説してきました。
サトシ・ナカモトとは、ビットコインの創設者として知られる正体不明の人物または集団です。2008年にビットコインの概念を示す論文を発表し、2009年にビットコインの運用を開始、2011年には公の場から姿を消しました。ビットコインという最初の仮想通貨を作った人サトシナカモトは日本人なのか、そもそも個人なのか、グループなのかも一切の謎に包まれているのが現状です。
「ビットコインの創設者は既に死亡しているのでは?」という推測も飛び交っています。オンチェーンデータ分析によると、サトシナカモトのアドレスからはビットコインが動いた形跡はありませんが、今後動きがあればその正体について、大きな判断材料となる可能性が高いです。
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また、ビットコイン以上に大きな価格上昇が見込めるプレセール仮想通貨を紹介していますので、是非合わせてそちらもご覧ください。
サトシナカモトに関するよくある質問
サトシナカモトの保有額はいくらですか?
サトシナカモトの何がすごいの?
1satoshi(サトシ)いくら?
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2013年に設立された99Bitcoinsのチームメンバーは、ビットコイン黎明期から仮想通貨のエキスパートとして活躍してきました。
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