米ワイオミング州は27日、米ドルに連動する独自のステーブルコイン「WYST」を2025年7月に発行すると発表した。
この発表はマーク・ゴードン州知事がDCブロックチェーンサミットで行った。WYSTは米国の政府機関が発行する初の完全担保付きステーブルコインとなる見込みだ。
WYSTの特徴と発行背景
WYSTは米ドルと1対1で連動し、現金、米国債、レポ契約によって裏付けられるステーブルコインだ。ワイオミング州はステーブルコインの安全性を確保するため、102%の資本要件を維持するという。
ワイオミング州は以前から暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術に対して積極的な姿勢を示しており、デジタル資産イノベーションの拠点として注目を集めている。今回のステーブルコイン発行は、米国内で高まるステーブルコインへの関心を背景に実現した。
LayerZeroとの提携と複数ブロックチェーンでの展開
ワイオミング州はWYST発行のパートナーとしてLayerZeroを選定した。また、ソラナ(SOL)、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)など9つの異なるブロックチェーンでWYSTを展開することを検討している。
We’re honored to be chosen by Wyoming as the token issuance partner for WYST, the first fiat-backed and fully-reserved stablecoin issued by a public entity in the United States.
There’s no clearer signal of where finance is heading than a U.S. state putting the dollar onchain. pic.twitter.com/IkinTrmKYG
— LayerZero (@LayerZero_Core) March 26, 2025
イーサリアムをはじめとする複数のブロックチェーンに対応することで、より広範な金融取引の効率化と安全なデジタル資産オプションの提供を目指している。米国内での仮想通貨への関心が高まる中、政府機関による直接発行の事例として注目されている。
収益の活用と将来的な展望
WYSTの裏付け資産から生じる利息収入は、ワイオミング州の教育やインフラ整備プロジェクトの資金として活用される可能性がある。この取り組みは、州の以前のビットコイン準備金に関する提案とは異なるもので、財政保守派からの反対に直面した経緯がある。
しかし、ワイオミング州のデジタル資産への積極的なアプローチは、米国の法的枠組み内での新たな金融技術の探求において先駆的な役割を果たしている。このプロジェクトの成功は、将来的にデジタル通貨へのさらなる取り組みの道を開く可能性がある。
ステーブルコインは価格の安定性を特徴とする仮想通貨の一種で、法定通貨や商品などに価値を連動させることで、激しい価格変動を抑える設計となっている。ワイオミング州の取り組みは、地方政府レベルでの暗号資産活用の新たなモデルケースとなるかが注目される。
ポイント
99Bitcoinsを信頼する理由
2013年に設立された99Bitcoinsのチームメンバーは、ビットコイン黎明期から仮想通貨のエキスパートとして活躍してきました。
毎週の調査時間
10万以上月間読者数
専門家による寄稿
2000+検証済み仮想通貨プロジェクト