国連世界食糧計画の米国支援団体（WFP USA）は8日、暗号資産（仮想通貨）であるビットコイン（BTC）やドージコイン（DOGE）を含む80種類以上の仮想通貨による寄付の受付を開始した。
The Giving Blockとのパートナーシップを通じて実現したこの取り組みは、世界的な飢餓危機の増加と人道支援予算の減少に対応するための革新的な資金調達手段として位置づけられている。WFP USAは国連世界食糧計画のミッションを支援し、120カ国以上の地域で飢餓と闘うための資金を調達している。
仮想通貨寄付の利点と税制優遇
仮想通貨による寄付は、従来の決済方法と比較して、迅速で安全、かつコスト効率の高い方法を寄付者に提供する。特に、取引手数料の低減などのメリットがある。
さらに重要なのは、米国内国歳入庁（IRS）が仮想通貨による寄付を「財産」として分類していることから生じる税制上の優遇措置だ。寄付者は資本利得税の免除や、寄付時の仮想通貨の全市場価値に対する控除などの潜在的な税制優遇を受けることができる。
この税制上のメリットにより、より多くの寄付者を引きつけることが期待されている。ビットコインやドージコインなどの仮想通貨保有者は、寄付を通じて世界の飢餓問題解決に貢献しながら、税制上の恩恵も享受できるというわけだ。
ブロックチェーン技術を活用した人道支援の革新
WFPのブロックチェーン技術の採用は、支援提供における透明性と効率性を高めることを目指している。この技術革新は、人道的課題に効果的に対応するというWFPの目標に合致している。
WFPはすでに「Food for Crisis」イニシアチブなど、Global Blockchain Business Councilとのパートナーシップを通じて、人道支援のためのデジタルソリューションの活用に取り組んでいる。これらの取り組みは、WFPが技術革新を通じて人道支援の効果を最大化しようとする姿勢を示している。
最近WFP USAが立ち上げた「Emergency Hunger Relief Fund（緊急飢餓救済基金）」は、資金ギャップに対処し、飢餓の危機に瀕している何百万人もの人々に命を救う支援を提供することの緊急性を反映している。
仮想通貨を通じた寄付の受け入れは、グローバルな人道支援の新たな時代の幕開けを象徴するものであり、デジタル資産を安全に保管できるウォレットの普及とともに、デジタル資産の実用的な応用がいかに社会的課題の解決に貢献できるかを示す重要な一歩となっている。
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