米国のビットコイン(BTC)現物上場投資信託(ETF)は26日、アーク・インベストのARKBを除く12ファンド中10ファンドで合計10億1000万ドル(約1490億円)の純流出を記録した。
この資金流出額は、ビットコイン価格が史上最高値10万8000ドルから調整した後の12月19日に記録された6億7190万ドルという記録を上回っており、単日ベースでは過去最大の資金流出額となる。
一方、米国のビットコイン現物ETFの累積純流入額は合計380億ドルとなり、合計で1014億ドル相当のビットコインを純資産として保有している。
ポイント
- 米国のビットコイン現物ETFが単日で過去最大の10億ドルの資金流出を記録
- 6日間連続の資金流出で累計20億ドル以上が流出
- 機関投資家のポジション調整と利益確定が主な要因と分析される
機関ごとの流出額
データ提供元のSoSoValueによると、機関ごとの資金流出額は以下の通りとなっている。
- フィデリティのFBTC:3億4465万ドル(約513億円)
- ブラックロックのIBIT:1億6430万ドル(約245億円)
- バルキリーのBRRR:1億ドル(約149億円)
- ビットワイズのBITB:8830万ドル(約131億円)
- グレースケールのミニビットコイントラスト:8500万ドル(約127億円)
上記以外にも、フランクリン・テンプルトンのEZBC、グレースケールのGBTC、インベスコのBTCOも大幅な純流出に見舞われた。
また、過去6間の連続的な純流出により、ビットコイン現物ETFからは20億ドル以上が流出しているという。
資金流出の要因
ETFからの大規模な純流出は、ビットコインが年初来最安値の約8万8000ドルまで下落した広範な市場下落と一致している。
また、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ソラナ(SOL)などの主要なアルトコインはさらに急激な価格下落を経験した。
プレスト・リサーチのピーター・チャンリサーチ責任者は、「ビットコインの9万ドル割れは、弱いナスダック先物、強い円、堅調な10年国債利回りに反映されているように、より広範なリスクオフ取引の延長線上にあるようだ。」と述べている。
同氏によると、伝統的な金融(TradFi)のヘッジファンドは、約10%の利回り差を利用するためにビットコインETFを購入しCME先物をショートするベーシストレードに従事していたが、この戦略が約5%と利回りが低下し始めるとポジションの解消を開始した。
これが大規模な資金流出のきっかけになった可能性が高いという。
その他の要因
BTCマーケッツの仮想通貨アナリスト、レイチェル・ルーカス氏は、機関投資家のポジション調整に加えて、大規模な資金流出に寄与した複数の要因を指摘した。
「重要な要因の一つは、2024年のビットコインの好調なパフォーマンス後の利益確定のようだ。」と述べ、投資家が米中貿易見通しに関する懸念や連邦準備制度理事会(FRB)の金利決定に関する期待など、マクロ経済的要因が投資家を神経質にさせていると同氏は説明している。
また、「金利が長期間高止まりすると、資本コストが上昇し流動性が低下するため、ビットコインのようなリスク資産への需要が抑制される可能性がある」と付け加えた。
無料のビットコイン・クラッシュコース
- 10万人以上の学習者に支持されています
- 連続7日間、1日1通のメール
- 簡潔で学べる内容を保証!
99Bitcoinsを信頼する理由
2013年に設立された99Bitcoinsのチームメンバーは、ビットコイン黎明期から仮想通貨のエキスパートとして活躍してきました。
毎週の調査時間
10万以上月間読者数
専門家による寄稿
2000+検証済み仮想通貨プロジェクト