米国の現物ビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)は22日、合計で約9億1270万ドル(約1296億円)の純流入を記録した。

これは2024年1月のビットコインETF開始以来、1日の純流入額として最大規模となる。

ETF別では、ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)が約379億円、フィデリティ社のWise Origin Bitcoin Fund(FBTC)が約360億円、ブラックロック社のiShares Bitcoin Trust(IBIT)が約275億円の流入を記録した。

市場の背景と要因

今回の記録的な資金流入と市場心理の改善には、いくつかの要因がある。

まず、ゲーリー・ゲンスラー氏の後任として、ポール・アトキンス氏が米証券取引委員会(SEC)の新委員長に就任した直後であることが挙げられる。アトキンス氏はデジタル資産規制に対し、「合理的、一貫性があり、原則に基づいた」アプローチを公約しており、暗号資産(仮想通貨)業界からはイノベーションに友好的な姿勢として広く歓迎されている。

また、伝統的な金融市場における変動性や不確実性が高まる中で、機関投資家の間で楽観的な見方が広がっていることも背景にある。経済的な不確実性の中で、ビットコインETFが価値の保存手段として選好されている。

オンチェーン分析企業Glassnodeのデータによると、この1日の流入額は2025年の1日あたり平均流入額の500倍以上、ビットコインETF開始以来の1日あたり平均流入額の約11.5倍に相当し、今回の出来事の異例さを際立たせている。

アナリストは、2024年1月以降、ETFが現物取引所におけるビットコイン全体の購入量に大きな影響を与える「限界的な買い手」になっていると指摘している。

取引活動と今後の見通し

特にブラックロック社のIBITは、当日40億ドル(約5680億円)を超える取引高を記録し、同セッションで米国市場で最も取引されたETFの一つとなった。

今回の資金流入と取引高の増加は、それ以前の資金流出や市場の警戒感が強かった時期と比較して、市場力学の大きな変化を示している。この傾向は、規制された投資手段を通じたビットコインへの受容と機関投資家からの支持が拡大していることを示唆している。

一方、イーサリアム(ETH)に焦点を当てたETFへの資金流入は、低調な流れが続いた後の暫定的な回復を示しており、今後のネットワークアップグレードを背景としたイーサリアムの見通しに対する新たな楽観論を示唆している可能性がある。

全体として、この日の動きは、規制に対する楽観的な見方、好調な市場環境、そして仮想通貨投資に対する強い機関投資家の需要が組み合わさり、ETFを通じたデジタル資産導入の転換点となる可能性がある。

今回のビットコインETFへの大規模な資金流入は、機関投資家が信頼できる仮想通貨取引所を通じて市場へ参入する動きが加速していることの表れとも言えるだろう。

ポイント

  • 米国の現物ビットコインETFが4月22日に約9億1300万ドル(約1296億円)の純流入を記録し、過去最大級となった。
  • 新SEC委員長就任による規制緩和期待や、伝統市場の不確実性を背景とした機関投資家の楽観論が要因として挙げられる。
  • ビットコイン(BTC)価格は同日9万4000ドル(約1335万円)を突破し、イーサリアムETFにも資金流入が見られた。

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Yugo Fujimaki
Yugo Fujimaki
仮想通貨ライター

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身の... 続きを読む

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