トランプ前大統領のステーブルコイン戦略が欧州金融システムに対する脅威に
24日に発表された声明によると、欧州中央銀行(ECB)は、トランプ前米大統領が23日に発表したドル建てステーブルコイン推進策に対抗するため、デジタルユーロの開発を加速するとしています。
ECB理事会メンバーであるピエロ・チポローネ氏は、トランプ氏が署名した大統領令における「worldwide(世界規模)」という言葉に特に注目しており、この新しい戦略が世界的に銀行の手数料収入や顧客基盤に与える影響を懸念しています。 ECBはその警戒を強化し、この状況に対応する姿勢を見せています。
新たな大統領令は、ドル建てステーブルコインを世界規模で合法化し、規制枠組みを検討するための作業部会の設置を予定しており、グローバル市場における成長を促進しようとしています。
デジタルユーロの導入:銀行システムの保護策強化
ECBは2021年10月からデジタルユーロの開発に本格的に取り組んでおり、現在はパイロットプログラムを通じてその実現可能性と影響を評価しています。
デジタルユーロは、資金流出を防止する仕組みを組み込み、個人の保有額には上限を設けるほか、企業による保有を禁じ、受け取ったデジタルユーロは銀行口座に自動的に戻る仕組みが構築されます。
米欧間のデジタル通貨戦略の違い
トランプ大統領の大統領令では、米連邦準備制度理事会(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を禁止しています。これにより米国の民間企業、例えばCircleやTether、Rippleなどにとっては追い風となる一方、欧州では民間の決済ソリューションは相互運用性を欠くとの指摘から、デジタルユーロの重要性がますます高まっています。
ECBはデジタルユーロを通じ、欧州全域で決済システムの統合を目指しています。
官民の連携でデジタルユーロを実現へ
デジタルユーロは、ECBの負債として発行される予定ですが、その実装には民間部門との密接な協力が不可欠です。銀行や決済サービス提供者は、両替や顧客対応、その他の関連サービスを担当し、デジタルユーロ基盤で革新的なサービスの開発も進められることが期待されています。
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