暗号資産(仮想通貨)の大手取引所コインベースは6月26日、カルダノ(ADA)とライトコイン(LTC)のラップドトークンを、自社開発のイーサリアムレイヤー2ネットワークであるベース上で開始した。
これは、ドージコイン(DOGE)や、リップル(XRP)のラップドトークン導入に続く動きであり、同社のクロスチェーン戦略の一環と見られる。
人気アルトコインのDeFi利用を促進する新トークン
コインベースが新たに導入したのは、cbADAとcbLTCで、これらはカルダノとライトコインを、イーサリアムのERC-20規格でラップしたトークンだ。
これにより、異なるブロックチェーン上で機能していたこれらの資産を、イーサリアム基盤のDeFiプロトコルで相互運用することができるようになる。
この仕組みでは、ユーザーがコインベースに預け入れたカルダノやライトコインを同社が保管し、それと1:1の比率で対応するラップドトークンを、ベースネットワーク上で発行する。
ユーザーは、コインベースの口座とベース対応のウォレットアドレス間で、保有資金を自由に移動できる。資金を移動する際には、同等の比率で自動的に変換されるので、複雑な手続きも必要ない。
コインベースは以前からラップドトークン機能に力を入れており、2023年9月にはビットコイン(BTC)のcbBTCを発表した。また、2025年6月初旬には人気アルトコインであるリップルのcbXRPと、ドージコインのcbDOGEをリリースしている。
今回のcbADAとcbLTC導入は、こうした先行事例の成功を受けて行われたものだ。
ベースエコシステムの拡大と企業の参入促進
今回の動きは、異なるブロックチェーン間における資産移動に関わる課題を解決し、流動性を統合する狙いがある。
ラップドトークンを通じて、カルダノやライトコインの保有者は、ユニスワップやアーべ、Compound(コンパウンド)など、ベース上の主要なDeFiプラットフォームにアクセス可能になる。
この戦略は、カストディ機能とクロスチェーン機能の強化を通じて、企業の採用を促進するというコインベースの目標とも一致する。先に発行されたcbBTCは、50億ドル(約7200億円)を超える準備金に指定されるなど、市場からの強い需要が示されている。
このような企業からの需要が、今回コインベースがアルトコインへの対応拡大を決定した背景にある。
新しいトークンへの関心は高く、ローンチから24時間で、cbADAの供給量は170万ドル(約2億4480万円)、cbLTCは100万ドル(約1億4400万円)に達した。コインベースは、全てのラップド資産について準備金の証明を提供し、1:1の生成比率を保証することで、透明性を確保している。
ソラナのレイヤー2を提供するSolaxy
コインベースのこうした動きは、ブロックチェーン間の壁を取り払い、資産の流動性を高めたいという業界全体の大規模な需要を反映したものである。このような大手プラットフォーム主導の取り組みと並行して、各エコシステムからも、相互運用性とスケーラビリティを追求する革新的なアルトコインプロジェクトが次々と登場している。
その中でも特に注目を集めているのが、ソラナブロックチェーン上に構築されたレイヤー2スケーリングソリューション、Solaxy(SOLX)である。
Solaxyは、ソラナの高速性を活かしつつ、ロールアップ技術を用いて、ネットワークの混雑を緩和し、取引コストをさらに削減することを目的としている。
また、イーサリアムとの相互運用性をサポートするクロスチェーンブリッジ機能を導入する計画もあり、異なるエコシステム間の開発者やユーザーに、新たな道を開く可能性を秘めている。
同プロジェクトへの期待は非常に高く、先行セールでは5858万ドル(約84億円)という驚異的な資金調達に成功。2025年5月末のトークン生成イベント後には、ユニスワップV3やレイディウムといった主要な分散型取引所に上場を果たした。
現在の価格は約0.0008381ドル(0.12円)で推移しており、24時間の取引高は約130万ドルに達するなど、市場の関心の高さがうかがえる。
第三者機関による監査も完了しており、開発チームはプロジェクトの信頼性と、透明性の確保にも努めている。
さらに、ステーキングによる報酬機会も用意されており、長期保有者へのインセンティブも設計されていることから、今後のソラナエコシステムの拡大を牽引する有望なアルトコインとして、その動向が注視されている。
Solaxyが公開しているホワイトペーパーでは、トークノミクスやロードマップなど、今後のレイヤー2開発における詳細が記されている。プロジェクトへの理解を深めるためにも、一度目を通しておきたい。
Solaxy公式サイト|X(旧Twitter)|Telegram
ポイント
- コインベースが、カルダノとライトコインのラップドトークンを導入した
- 企業から高まる需要に対応するため、コインベースのアルトコイン戦略は続くと考えられる
- ソラナのレイヤー2を提供するSolaxyが、次のソラナ系成長銘柄として注目されている
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