ハッカー集団ラザラス追跡の賞金サイトが開設

暗号資産（仮想通貨）業界で初めて、北朝鮮関連のハッカー集団ラザルスグループの資金洗浄活動を透明性を持って追跡する懸賞サイト「LazarusBounty.com」が開設された。

このプラットフォームは、制裁対象となっているラザルスグループの不正資金の流れを追跡し、凍結に導く情報提供者に報酬を支払う仕組みとなっている。

懸賞ハンターとして参加し即時報酬を獲得

同サイトでは、ユーザーがウォレットを接続することで「懸賞ハンター」として参加できる。提供した情報が資金凍結につながった場合、凍結と同時に即座に報酬が支払われる仕組みだ。

さらに、実際に資金を凍結した仮想通貨取引所やミキサーなどのサービス提供者には、懸賞金の5%がボーナスとして支払われる。これにより、仮想通貨エコシステム全体でのセキュリティ向上への貢献が促進される。

サイトでは「善良な行為者」と「悪質な行為者」のランキングをリアルタイムで公開し、各プレイヤーが制裁対象のラザルスグループのトランザクションにどれだけ迅速に対応しているかが記録される。このリストに「悪質な行為者」として記録されることは、制裁対象の取引を助けたという証拠として残ることになる。

Join us on war against Lazarus – https://t.co/6DnaH1WTId
Industry first bounty site that shows aggregated full transparency on the sanctioned Lazarus money laundering activities. V1 includes:
– Becoming a bounty hunter by connecting your wallet and help tracing the fund, when…

— Ben Zhou (@benbybit) February 25, 2025

取引所や分析企業向けの機能と今後の展開

取引所やチェーン分析企業（Chainanalysis、Arkham、Elliptic、TRMLabs等）向けには、ウォレットアドレスをリアルタイムで更新するAPI機能も提供される。

開発チームは「ラザルスグループや業界内の悪質なプレイヤーが排除されるまで止まらない」と宣言し、将来的には他のラザルス被害者にもプラットフォームを開放する意向を示している。

今後のV2アップデートでは、最新の残高情報を含むウォレットのリアルタイム更新機能が追加され、懸賞ハンターが特定のウォレットを「担当」して一定期間追跡できるようになる予定だ。また、規制当局向けのツールも開発中とのことだ。

業界全体での取り組みへの呼びかけ

開発チームは「より多くのアイデアやフィードバックを歓迎する」としており、プラットフォームの改善に向けた分散型コミュニティからの意見を求めている。

ラザルスグループは近年、複数の大規模な仮想通貨ハッキング事件に関与したとされており、盗んだ資金のマネーロンダリングと追跡回避に様々な手法を用いてきた。このような懸賞システムが効果を発揮すれば、不正資金の追跡と凍結が加速する可能性がある。