イーロン・マスク氏の父であり、実業家のエロール・マスク氏が、新たなミームコインプロジェクト「Musk It(MUSKIT)」への関与が明らかになった。
これは、ドナルド・トランプ大統領やメラニア・トランプ氏に続く、著名人による暗号資産(仮想通貨)市場への参入として市場関係者の注目を集めている。
フォーチュン誌のインタビューで、エロール・マスク氏と技術コンサルタントのネイサン・ブラウン氏は、「Musk It」を通じて1億5000万ドルから2億ドルの資金調達を目指していると語った。
Musk Itの目的とマスク研究所設立構想
マスク氏によると、調達した資金は、高度な科学研究に特化した営利シンクタンク「マスク研究所」の設立に充てられる予定だ。特に、空飛ぶ車の開発や最先端技術の研究に焦点を当てるという。
ただし、Musk Itトークン自体は、マスク氏が直接立ち上げたものではない。2023年12月に中東の暗号資産(仮想通貨)企業がソラナ(SOL)上でローンチしたが、その後、マスク氏とブラウン氏がプロジェクトへの関与を決定し、正式に承認した経緯がある。
現在、Musk Itはソラナ上のミームコイン作成プラットフォーム「Pump.fun」を通じて取引されており、マスク氏は同プロジェクトへの支持を表明している。しかし、トークノミクスに関する詳細情報はほとんど公開されておらず、供給量が10億トークンであること以外は明らかな情報は確認できない。
MUSKITトークン価格の急騰と市場の反応
Musk Itの価格は、2023年12月9日のローンチ以来下落傾向にあったが、マスク氏の公的な支持表明を受けて急騰。CoinGeckoのデータによれば、MUSKITトークンは0.01ドルから0.07ドルまで急上昇したものの、その後0.035ドルまで下落し、時価総額は3500万ドルに達した。
マスク氏は、Musk Itが自身の公式プロジェクトではないと強調しつつも、トークンの名称を承認したことを認めている。また、イーロン・マスク氏との関係についても、「イーロンはこのプロジェクトには一切関与していない」と明言している。
しかし、Musk Itの公式サイトでは、スペースXのロケットやテスラのサイバートラック、火星植民地化計画に関連する画像が掲載され、「火星マスク・イット基地」の開設を示唆する表現が見られるなど、マスク氏の事業を連想させる内容となっている。
著名人とミームコイン市場の関係
マスク氏は、ミームコイン愛好家として広く知られ、特にドージコイン(DOGE)との関係がたびたび話題となってきた。過去にも彼の発言がドージコインの価格変動に大きな影響を与えた事例は少なくない。しかし、多くのサードパーティがマスク氏の名前を利用したトークンを発行しているものの、彼自身が公式の仮想通貨を立ち上げたことは一度もない。
一方、ドナルド・トランプ前大統領の公式ミームコイン「TRUMP」は、ローンチ直後に時価総額750億ドルを記録し、一時的にドージコインを上回る勢いを見せた。また、メラニア・トランプ氏も自身の名前を冠したトークン「MELANIA」を発表し、市場の注目を集めた。
こうした著名人によるミームコインの発行は、強力なバイラル効果を発揮し、短期間で急激な価格上昇を見せることが多い。しかし、その一方で、市場の健全性や持続可能性に疑問を投げかける声も少なくない。短期的な投機の対象となることで、価格の乱高下が激しくなり、長期的な安定性を損なう懸念も指摘されている。
Musk Itが今後、持続可能なプロジェクトとして成長するのか、それとも短命なブームで終わるのかは依然として不透明だ。しかし、エロール・マスク氏が公的に支持を表明したことにより、短期的には市場の関心を集め、価格の急騰を引き起こす可能性がある。
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