2025年ラグプル被害額、60億ドルに急増｜Mantraが最大

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Mantra Network事件
ラグプル被害の動向

DappRadarは16日、2025年初頭からの暗号資産（仮想通貨）ラグプルによる被害額が約60億ドル（約8,580億円）に達したと報告した。

これは、前年同期に記録された9,000万ドル（約128億7,000万円）から6,499%という急増となっている。

その被害総額の92%は、ポリゴン（POL）ブロックチェーン上の分散型金融（DeFi）プロジェクトMantra Networkが画策したとされるラグプルに起因するという。

しかし、ラグプルによる金銭的被害が膨らむ一方で、その発生頻度は減少している。2025年初頭には7件のラグプル事件を記録したが、これは2024年の同期間の21件と比較して66%の減少となっている。

🕵️‍♂️ Rugpulls in 2025 are fewer, but far more costly. The Mantra Network case alone accounts for 92% of the $6B lost so far this year.

Is the risk landscape evolving or just more deceptive?
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— DappRadar (@DappRadar) April 16, 2025

Mantra Network事件

Mantra Networkは、DeFiの革新とクロスチェーンユーティリティを約束して立ち上げられ、DappRadarなどのプラットフォームに上場し、徐々にその存在感を高めていった。

しかしオンチェーンデータを詳しく調べると、同プラットフォームで記録されたユニーク・アクティブ・ウォレット（UAW）の最高数は2024年12月のわずか64件だった。

エンゲージメントレベルは一貫して低く、1日のウォレット対話数は1から11の範囲で、ゼロの日も多かった。

また取引データも、ある日には66件もの取引が発生したが、他の日には全くなかった。

さらに、PolygonScan上のMantraのコントラクトデータも、懸念されるウォレットの分散状況や中央集権化のパターンを明らかにしており、これらはしばしば流動性の引き出しやインサイダーによるダンピングの前兆となる。

そのため、より慎重なユーザーであれば気付けたかもしれない懸念すべきパターンが明らかになっている。

ラグプル被害の動向

2024年第1四半期には、ラグプルは主にNFTプロジェクト、DeFi、ミームコインなど、急速な投機と最小限の監視によって動かされる分野から発生していた。

しかし2025年には、ラグプルの集中はミームコインセクターに大きく移行している。

多くのアルトコインプロジェクトも同様の脆弱性を示しており、投資家はより一層の注意が必要とされている。

また最近は、北米証券監督者協会（NASAA）が、仮想通貨とソーシャルメディア詐欺を2025年の個人投資家に対する最大の脅威として特定した。

NASAAの報告によると、詐欺師らはFacebook、X、Telegram、WhatsAppなどのソーシャルメディアネットワークを活用して、詐欺的な投資を宣伝している。

詐欺師らは、AI生成コンテンツを利用し、FOMO（取り残されることへの恐怖）やロマンスベースの「豚の屠殺（ロマンス詐欺）」といった感情操作戦術を用いているという。

NASAAの調査では、規制当局の約39%がAI生成コンテンツが詐欺師の主要なツールになると予想しており、22%がディープフェイクベースの詐欺の急増を予見している。

報告によると、これらの戦術は2024年にすでに240億ドル（約3兆4,320億円）以上の損失をもたらしており、「豚の屠殺」詐欺だけでも36億ドル（約5,148億円）以上の損害を引き起こしている。

実際、Chainalysisの報告によると、2024年には仮想通貨詐欺師が少なくとも99億ドル（約1兆4,157億円）を被害者から騙し取り、最終的な数字は120億ドル（約1兆7,160億円）を超える可能性がある。

「豚の屠殺」詐欺が40%急増したことで、この種の詐欺は現在、全事件の3分の1以上を占めている。

ポイント

2025年初頭の暗号資産（仮想通貨）ラグプルによる被害額が約60億ドル（約8,580億円）に達し、前年同期の9000万ドル（約128億7,000万円）から6,499%急増した。
被害総額の92%は、Polygonブロックチェーン上のDeFiプロジェクト、Mantra Networkによる単一のラグプル疑い事案に起因する。
ラグプルの発生件数は減少したが、手口は巧妙化しており、NASAAは仮想通貨とソーシャルメディア詐欺を投資家への主要な脅威と指摘している。